プロバスケチーム・千葉ジェッツふなばしがTHECOOと提携、ファン交流が可能な会員制コミュニティ開設

THECOOは9月27日、運営する会員制ファンコミュニティ運営アプリ「fanicon」(ファニコン)にて、プロバスケットチームの千葉ジェッツふなばしファンクラブ会員向けにファンコミュニティサービスを開始することを発表した。

写真に向かって左から、千葉ジェッツふなばしの米盛勇哉代表取締役社長、THECOOの代表取締役CEOの平良真人氏

THECOOは、前述のfaniconの運営のほか、インフルエンサーの養成やマーケティングなどの事業を展開している2014年1月設立のスタートアップ。faniconは、誰もが手軽に会員制ファンコミュニティが運営できるのが特徴のサービスで、最近では著名インフルエンサーのゆうこす(菅本裕子)が「#ゆうこすのうらがわ」を開設し、ファン限定イベントなどを開催している。faniconでは、インフルエンサー(アイコン)からのメッセージやライブ配信を含む映像を会員向けに公開できるほか、ファン同士の交流、スクラッチ、グッズやチケットの販売などの機能を備える。有料会員限定としているため、アンチや荒らしが混入せず、ファンの熱量をより高められるのが特徴だ。

ファンコミュニティ運営アプリ「fanicon」

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千葉ジェッツふなばしは、プロバスケットボールリーグであるB.LEAGUEに所属する千葉県船橋市を拠点とするチーム。ホームの試合場(ホームアリーナ)は船橋アリーナ(船橋市総合体育館)で、2018年度はホーム30試合で累計15万人超、1試合平均5000人以上集客を誇る。日本のプロバスケット選手の平均年俸が1000〜2000万円程度の中、日本人初となる1億円プレーヤーである富樫勇樹選手が所属するチームとしても有名だ。直近では3年連続の天皇杯(全日本バスケットボール選手権大会)優勝、2年連続の地区優勝を果たし、2011年に当時のbjリーグに加盟してから8年連続黒字経営が続けている人気チームだ。

10月からB.LEAGUEの2019-2020シーズンが始まる。千葉ジェッツふなばしは、10月5日に東京・青山学院記念館にてアウェーでの開幕戦を控えている。対戦相手は千葉ジェッツふなばしと同様にB1リーグ東地区に属するサンロッカーズ渋谷

同チームは、2019年4月にミクシィと戦略的資本業務提携も発表。ミクシィは2017年7月から同社のエンターティンメントブランドであるXFLAGを通して千葉ジェッツふなばしを支援してきたが、この提携により、千葉ジェッツふなばしの株式も取得したことで、船橋整形外科からオーナーを継承。現在、1万人収容のアリーナ建設を目指すとともに、フロントの人材強化を進めている最中だ。

今回のTHECOOとの提携について千葉ジェッツふなばしの米盛勇哉社長は「ファンクラブには5000人ほどの有料会員がいますが、ブースター(ファン)が増え、いろいろな問題も出てきた」と語る。「まず、チームが有名になったことでファンとの距離感が出ていました」とのこと。

続けて米盛氏は「プレイ以外に選手の魅力をアピールする仕組みがなかった」とも語る。一部のブースターを中心にこれまでも小さなコミュニティは形成されていたほか、個人のアカウントで情報発信する選手もいたが、人気チームとなったいま、そういった情報が集約できる場所の必要性を感じていたそうだ。「ブースター同士の交流、一体感によって熱量がさらに高まる」とfaniconを活用する理由を教えてくれた。「将来的にはこういった施策が他のチームにも波及して、リーグ全体がさらに盛り上がることを期待している」とのこと。

選手の側の反応については米盛氏は「私は、昭和は野球、平成はサッカーとプロスポーツが注目されてきましが、令和はバスケットボールといえるようにリーグ全体を盛り上げたいと考えています。選手は、プレイはもちろんですがファンサービスの重要性を理解してくれています」とのこと。

「千葉ジェッツのブースターの過半数は女性で、他のプロスポーツのファンクラブに比べて女性比率が高いのが特徴です。船橋市はバスケットボールが盛んな地域でファミリーブースターも多い」と米盛氏。プロスポーツチームにとって、チケットはもちろん、選手のグッズ販売も重要な売上の一部。しかも千葉ジェッツは、1万人規模の新アリーナの建設も控えている。faniconを活用してブースターの数と熱量をさらに高め、ブースターと一緒にリーグ全体を盛り上げていく狙いだ。

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TechCrunch Japan

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