トップクラスのベンチャーキャピタルが次々にサンフランシスコに移転する中、最後までシリコンバレーに踏みとどまっていたAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ)がついに市内に引っ越すことに決めたようだ。事情に詳しい情報源によれば、Andreessen Horowitzは今年中にサンフランシスコにオフィスをオープンさせるという。
ウォールストリートジャーナル(WSJ)のさる金曜日の記事によれば、同社は180 Townsend Streetビルのリース契約にサインしたという。このビルはMLBのサンフランシスコ・ジャイアンツのホーム・スタジアムの付近にある(今年1月までAT&Tパークとして知られていたが、現在はオラクル・パークと改名された)。
我々の情報源によれば、「a16z(Andreessen Horowitz)はスタンフォード大学近くのサンドヒル・ロードの広大な敷地のオフィスを閉鎖するわけではない」という。同社は2009年の創立直後からここを本拠としてきた。情報源は「a16zはビル全体をリースするわけではない」と付け加えた(180 Townsendは延べ床面積が3800平方メートルもある)。
ここ数念、シリコンバレーの有力ベンチャーキャピタルがサンフランシスコにオフィスを移す動きが続いていた。a19zもこれに加わったことはベンチャーキャピタルの地理的重心が北に50キロほど移動するトレンドを確認するものだ。
サンフランシスコ市内にオープンしたベンチャーキャピタルはTrue Venturesだった。当初はウォーターフロント地区だったが、その後もっと便利なサウスパークに移転した。この近所にはKleiner Perkins、Accel、General Catalyst、New Enterprise Associatesといった名だたるベンチャーキャピタルがオフィスを構えている。
サンフランシスコの金融センターに近く、エンバーカデロとチャイナタウンの中間に位置するジャクソン・スクエアにもJackson Square Ventures、NextWorld Capital、 Catamount Ventures、Sway Venturesなどいくつかのベンチャーキャピタルの本社がある。
Andreessen Horowitzは同業他社がサンフランシスコやニューヨークにオフィスをオープンする動きにも影響されずメンローパークのサンドヒル・ロードを唯一の拠点として順調に活動を続けてきた。
しかし、我々のの情報源によれば、1年ほど前からサンフランシスコ市内にも拠点を設けることを真剣に考えるようになったという。最終決定に至ったのは最近のようだ。これで150人の社員の多くは毎日の長時間通勤の苦労が大きく軽減されるに違いない。社員の多くは市内に住んでおり、会社まで車で延々と走ることを余儀なくされていた。
もちろんいちばん要なのは、市内にオフィスを設けることで投資先のファウンダーとこれまでより密接にコンタクトできる点だろう。ファウンダーたちは静かすぎるシリコンバレーを好まず、サンフランシスコを拠点とすることが増えていた。
もちろんサンフランシスコの不動産価格は過去最高を更新し続けており、WSJの記事によれば、大手不動産業者のCushman & Wakefieldのオフィス賃貸料月額は2018年第4四半期現在で平方メートルあたり813ドルという記録的な額になっているという。これは前年同期比で6.4%のアップだ。
我々は有名アクセラレータ、ベンチャーキャピタルのY Combinatorが市内に適当な物件を探していると報じた。Andreessen Horowitzに続いてY Combinatorも今年サンフランシスコに引っ越してくることになるかもしれない。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook)