ポケモンGOに近所のポケストップを「ARスキャン」したユーザーに報酬を与える新機能

Niantic(ナイアンティック)は米国時間12月8日、ポケモンGOユーザーに近所のポケストップをARスキャンするインセンティブを与える新機能を発表した。そのユーザー生成データは、Nianticが「現実世界のメタバース」を作るために使われる。メタバースは主に同社の無料AR開発キット(ARDK)であるLightship(ライトシップ)を使って構築される。

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ポケモンGOでユーザーは、現実世界の場所を表すポケストップを訪れる。場所はどこにでもある郵便ポストから著名な史跡、見たことのない近所の美しい彫像まで何でもよい。ポケモンGOのランドマークデータベースは時間とともに非常に大きくなったが、実は開始当初からかなり巨大だった。それはNianticがGoogle内の小さなサイドプロジェクトとだったころに作ったゲーム「Ingress」のプレイヤーがデータを送ってくれたことによるところが大きい。

ポケストップのARスキャンを行うには、スキャンボタンをタップすると、あたりをゆっくり歩くよう指示され、その間にカメラが物理的な現実世界の周辺に関するデータを収集する。プレイヤーは、スキャンデータを後で(Wi-Fiにつながっている時など)Nianticに送ることもできる。集まったスキャンデータはNianticのゲームや、ARDKを使って作られたゲームの3D世界マップを作るために使われる。

ゲーム内でポケストップやジムをスキャンすること自体は以前からできていたが、プレイヤーにとってそうする理由がほとんどなかった。これからはスキャンすることでポケストップが「パワーアップ」し、有効時間内にそのポケストップを訪れたプレイヤーは普段より良いゲーム内報酬をもらえる。ポケストップをスピンさせればどのポケストップでもポケモンを捕まえるためのアイテムを手に入れることができるが、パワーアップしたポケストップではそれ以上のものが手に入る。

ポケストップには3つのレベルがある。レベル1には5回のスキャンで、レベル2には10回、レベル3には25回で到達する。レベルが高くなるほどパワーアップの継続時間が長くなり、もらえるアイテムが増える。ちなみにNianticにとっては、スキャンが増えるほどデータの精度が高くなる。

「新しい場所をスキャンすることで、世界中のトレーナーのために、ワクワクする新しいAR体験を作ルのに役立ちます。長期的には、現実世界メタバースを作って、デジタル生成物でオーバーレイされた世界を探検できるようになります」と同社が発表で言った。

パワーアップされたストップは全プレイヤーがスピンできるが、現実のポケストップをスキャンするためにはレベル20に達している必要がある。おそらく、スパムアップロードを防ぐためだろう。

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画像クレジット:Niantic

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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