マイクロソフトがアプリを横断して使えるコラボツール「Microsoft Loop」を発表

Microsoft(マイクロソフト)は、Google(グーグル)が2009年に立ち上げて2010年に早々と閉鎖し、運の尽きたリアルタイムメッセージング&コラボレーションプラットフォームGoogle Waveを復活させる。

この再登場は予想すべきだったかもしれない。2019年にMicrosoftはFluid Frameworkを発表した(Fluentデザインシステムと混同しないで欲しい)。ここでのアイデアは、ビジネス文書の性質と、開発者がリアルタイムアプリケーションを構築する方法を再発明しようとするものに他ならなかった。同社は2020年にFluidをオープンソース化し、自社のOfficeアプリケーションのいくつかに組み込みを開始した。そして米国時間11月2日、Igniteカンファレンスにおいて、Fluidをベースにしたまったく新しい製品を発表した。Microsoft Loopだ。

Loopは、Fluidフレームワークを採用した新しいアプリケーションであり、新しいコンセプトでもある。Fluidフレームワークは、リアルタイム編集ベースのアプリケーションを作成するために、開発者が自由に組み合わせられる柔軟なコンポーネントを提供し、ユーザーが文書でコラボするための新しい体験を創り出す。リアルタイムのコラボに加えて、開発者用のフレームワークとプロトコルを提供することで、Waveをあらゆる場所で利用できるようにするというのが、Google Waveの約束でもあった。

そしてあなたはこういうかもしれない。Teamsのためのものではないのか? なぜこれがTeamsに組み込まれていないのか、と。その通りだ。それらの取り組みは進行中だ。しかしLoopアプリでもある。このアプリは、Microsoftがいうところの「パワフルでフレキシブルなキャンバスと、アプリ間を自由に移動して同期を保つポータブルなコンポーネントを組み合わせたもので、チームがともに考え、計画し、創造することを可能にする」ものだ。

Loopには3つの要素がある。リスト、テーブル、ノート、タスクなどの「生産性の原子単位(atomic units of productivity)」(このフレーズを考え出した人には脱帽だ)であるLoopコンポーネント「コンポーネントを整理し、ファイルやリンク、データなどの他の有用な要素を取り込み、チームが考え、つながり、コラボするのに役立つ柔軟なキャンバス」であるLoopページ、そしてみんなが取り組んでいることを把握し、共有する目標に向けての進捗を確認できる共有スペースであるLoopワークスペースだ。

Waveにはなかったことだが、Loopの中核的な機能として、Loopはカーソルの位置をリアルタイムに追跡することができる。これはメタバースの現状を表す。カーソルを動かしているときほど、会議に参加していることをアピールできるものはない。

間もなく提供されるLoop / Fluentの新しいコンポーネントとしては、投票表(Google Waveの最初の機能だ)とステータストラッカーがある。

Google Waveは明らかに時代の先を行っていた。

画像クレジット:Microsoft

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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