Microsoft(マイクロソフト)は近年、ゲームにおけるアクセシビリティ向上に力を入れており、操作しやすいコントローラー「Adaptive Controller」などを発表している。そして同社の点字ディスプレイを組み込んだXbox向けコントローラーの特許は、障がいがあるゲーマーへの新たな配慮を示唆している。
想像できるように、視覚障害者がゲームを楽しむことや、その困難を完全に解決するのは難しい。例えば、画面上にテキストで表示されるプレーヤーの状態やアイテム、ダイアログや指示などは、どのようにしたらそのようなゲーマーが読み取ることができるだろうか。
多くの場合、スクリーンリーダーが視覚障害者用に用意されるが、そのテキストはオーディオ形式で提供されることが多く、ゲーム内では魅力的とはいえない。ゲームに熱中しようとしている時に、誰がコンピューターの音声で鎧のレベルやアイテムの取得を知りたいと思うだろうか。
またこの問題を解決するための点字ディスプレイはすでにいくつか存在するが、ゲームメーカーが用意するものに勝るものはなく、またそのためにMicrosoftは点字を内蔵したコントローラーの特許を出願したのだ。
今回の特許は昨年提出され、最近公開されたものをオランダ語サイトのLet’s Go Digitalが発見した。現時点で正式な発表はないが、6月に開催されるE3のことを考えれば興味深い。もちろん特許が必ず製品化につながるわけでないが、着目する価値はあるだろう。
特許で言及されている点字コントローラーは、普通のXbox Oneのゲームパッドとよく似ているが、背面には突起が飛び出してくる複雑な機構が組み込まれている。これは点字ディスプレイで、プレーヤーが指で読み取れる機械的な飛び出しを再現するドットマトリクスと、入力と出力の両方が可能なパドルのセットで構成されている。
6本のパドルは点字コードの6個のドットに対応しており、ユーザーはそれらを利用してコードやテキストを入力したり、あるいは指をパドルから離さずに文字を読み取ることができる。もちろんこの機構は、方向の指示や振動のような周囲環境のエフェクトを触覚フィードバックとして再現することもできる。このような機構がコントローラーに存在していても、私は気にならない。
もちろん、ゲームには視覚的なデータを聴覚的なデータに変換し、あるいはその逆を行うメタデータ層が必要となるだろう。このようなアイデアは誰もが考えているが、Microsoftはさらに一歩先をいこうとしている。同社の動きが、他の開発者やメーカーを説得するのに役立つのを祈るばかりだ。
E3の会場では、我々TechCrunchチームもMicrosoftへと、このコントローラーのデザインやその他のアクセシビリティの改善について尋ねるつもりだ。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)