MicrosoftとOracleは今日、ユーザーがそれぞれのクラウドで作業しているものやデータをシームレスに両社のクラウドで動かせるよう、クラウドをネットワークで直接つなげるという新たな提携を発表した。この提携は単につなげるという以上のものであり相互運用性を含んでいる。
この手の提携は、本質的には競合するクラウド業界にあってどちらかといえば一般的ではない。しかしOracleはこの業界で主要プレーヤーになることを望んでいるが、AWSやAzure、Google Cloudのような規模をすぐに展開できないということを認識している。Oracleにとってこの提携は、OracleのユーザーがOracleのクラウド内にあるOracleデータベースを使いながら、Oracle E-Business SuiteやAzure上のOracle JD Edwardsのようなサービスを展開できることを意味する。そのうえで、Microsoftはワークロードを展開し、Oracleもこれまで通りのものを展開する(AzureユーザーはまたAzureクラウドの中でOracleデータベースを引き続き利用できる見込みだ)。
「Oracleクラウドは売上、サービス、マーケティング、人事、財務、サプライチェーンなどのアプリを統合した完全サービス、そしてOracle Autonomous Databaseというかなり自動化されそして安全な第二世代インフラを提供する」とOracle Cloud Infrastructure (OCI)の副社長であるDon Johnson氏は発表文で述べている。「OracleとMicrosoftは何十年にもわたり顧客である企業のニーズに応えてきた。今回の提携で、両社の顧客は再構築することなく、そして多額を投資することなくすでに抱えているアプリケーションをクラウドに統合できる」。
当面は、2つのクラウドの直接の相互接続はAzure US EastとOracleのAshburnデータセンターに限定される。2社はこの提携を将来は他の地域にも広げたい考えだが、詳細については明らかにしていない。おそらく、JD Edwards EnterpriseOne、E-Business Suite、PeopleSoft、Oracle Retail、そしてAzureのHyperionのようなアプリケーションをRAC、Exadata、 Oracle Autonomous DatabaseといったOracle データベースとのコンビネーションでサポートする。
「Fortune 500社の95%超がAzureを使っているという、企業に選ばれるクラウドとして、我々は常に顧客がデジタル移行で成功するように取り組んできた」とMicrosoftのクラウド・AI部門副社長であるScott Guthrie氏は語った。「Oracleは企業を得意としていて、今回の提携は自然な選択だ。2社が共有する顧客が企業アプリケーションとデータベースをパブリックのクラウドに統合するのを加速させるものとなる」。
今日の発表は、他の企業向けサービスを展開している大企業と提携するという最近のMicrosoftの傾向に沿うものだ。MicrosoftはこのほどSAPやAdobeとオープンデータ提携を結び、ソニーとは異例のゲーム面での提携を結んでいる。
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(翻訳:Mizoguchi)