マネーフォワード、経営分析クラウド運営のナレッジラボをグループ会社化ーー約2億円を出資

左から、ナレッジラボ代表取締役の国見英嗣氏、マネーフォワード代表取締役社長の辻庸介氏

自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」やビジネス向けクラウドサービス「MFクラウドシリーズ」などを提供するマネーフォワードが7月5日、経営分析クラウド「Manageboard」を提供するナレッジラボに約2億円を出資し、グループ会社化することを発表した

「中小企業の業務効率化から収益向上まで、一貫したソリューションを提供」するのが同社のねらいだ。

Manageboardは会計ソフトのデータをインポートするだけのシンプルなプロセスで経営分析ができるクラウドサービスだ。目標売上高や前提条件を設定すると、会計データをもとに自動で予算実績分析やキャッシュフロー予測などの経営シミュレーションができる。2018年夏にはAI監査も行えるようになるという。

マネーフォワード代表取締役社長の辻庸介氏は同日の会見で、グループ会社化により「中小企業の収益向上実現を目的とした事業領域の拡大」や「会計事務所へのツールとノウハウの提供により、全国の中小企業の収益向上」を実現することができると説明した。

同氏いわく「日本の労働生産性は先進国で最低レベル」で「赤字企業が全体の64パーセント」。MFクラウドのユーザーや非効率な会計業務を行なっている中小企業にManageboardを提供し、収益向上につなげる、と意気込んだ。

具体的には、グループ会社化により以下が実現されるという。

(1)経営分析クラウドManageboardの提供

・MFクラウド会計とManageboardを連携

・クラウド会計データを元にした予算実績分析・キャッシュフロー予測・AI監査などの分析データを提供

(2)CFOアウトソーシング「財務戦略顧問」の提供

・Manageboardを活用し、対面コンサルティングを行うことで、企業の経営アクションを促進

クラウド会計サービスによる中小企業の経営支援としては、7月2日に「クラウド会計ソフト freee」を提供するfreee新たに「予算・実績管理機能」をリリースしたのが記憶に新しい。

だが、今回の発表では、辻氏はあくまでも強気に今後のプランについて語っていた。

「急成長するFintech・SaaS市場において、さらにナンバーワンの地位を確立していきたいと思っている。次のステージに行けるのではないかという期待感が我々にはある」(辻氏)

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TechCrunch Japan

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