個人・法人向けに家計簿や資産、経費管理サービスを展開するマネーフォワードが今日、個人向けアプリで新施策「マネーフォワード Apps」を開始した。まずはAndroid版を提供し、4月にはiOS版でもリリースする。
マネーフォワード Appsは、自社だけでなくパートナー企業など他社が開発した貯金、節約、投資に関するアプリを掲載する施策。すでに掲載しているアプリは以下。
・株価・為替の総合アプリ「Yahoo!ファイナンス」
・関西電力の電気代や使用料チェックアプリ「はぴ e みる電」
今後掲載を予定しているのはアプリは以下。
・NTTドコモがトライアル提供するレシートリワードを使ったマネーフォワードのアプリ
・カカクコムとの「お金のサービスランキング」連携
・お金のデザインのロボアドバイザー「THEO」
・電力比較のエネチェンジのアプリ
これ以外にもライフプラン関連などのアプリ提供を検討しているという。
マネーフォワードでは「掲載」という言葉を使っているが、これはデバイス上で別アプリを呼び出すようになっていて、未インストールの場合はGoogle PlayやApp Storeに誘導する形だ。以下の図をみると、各社アプリへの集客や開発支援をマネーフォワードが行うというふうになっていて、実際マネーフォワードAPIにあるOAuth認証を使ってアプリが開発できるという。他社アプリというのがWebアプリの場合には認証がラクになりそうだ。
OAuth認証ということは、つまり事業者間とユーザーのコンセンサスさえあれば、技術的には各種データを企業間で共有する土台ができたわけだ。マネーフォワードは、各ユーザーごとの貯蓄額はもちろん、年収やお金の使い方について相当なデータを蓄積している。家計を見れば家族構成や年に何度旅行に行くか、なんかも分かる。これは他社からすればマーケティングデータとして欲しいところだろう。「カウント方式は非公開」ということで数字通りには受け取れないものの、マネーフォワードはユーザー数の参考値として「350万人が選んだ家計簿」という数字を出している。まだ大きいとは言えない規模だが、これまで口座アグリゲーションで自動分類をしてきた個人の家計データとなると利用価値は大きいと考えられる。そういう意味で、これまで自社を「お金のプラットフォーム」と規定してきたマネーフォワードとしては、エコシステム醸成とプラットフォーム化への一歩を踏み出すアプリだと言えそうだし、銀行のような既存プレイヤーに対してAPI公開を迫るプレッシャーとなるようであれば、消費者としては大いに歓迎したいね。
追記:記事初出時に新アプリとお伝えしましたが、正しくは既存アプリの新施策です。訂正してお詫びします。