AndroidとFire OSのデベロッパは来週から、Amazonのクラウドサービスを利用して、自分のアプリケーションを実機のスマートフォンやタブレット上でテストできるようになる。そのサービスはAWS Device Farmと呼ばれ、デベロッパはアプリをアップロードして、それを、“デバイスとOSのさまざまな組み合わせの中で今いちばん多く使われているモバイルデバイス〔複数形〕でテストできる”、とAmazonは言っている。デバイスはdevicesと複数形になっているが、具体的な台数は明らかでない。
ご存知のようにすでに数社が、このようなサービスを提供している。Googleは数週間前のI/OカンファレンスでCloud Test Labを発表したが、ローンチはまだだ。XamarinはすでにTest Cloudサービスを、2013年からやっている(サポートしている機種はおよそ1600種)。
AmazonのDevice Farmも、機能はそれらとほぼ同じだ。デベロッパがアプリをアップロードしてデバイスを指定すると、そのすべての画面やボタンをテストする。終わったらレポートをもらえるから、デベロッパはアプリのデバッグを開始する。テストを自分でコントロールしたければ、人気のテストフレームワークAppium(Xamarもサポート)やCalabash、Espressoなどでテストのスクリプトを書いてもよい。
AmazonのAWS担当VP Marco Argentiが、今日の発表声明でこう言っている: “モバイルアプリのデベロッパにとってデバイスとOSの多様な組み合わせに十分対応する良質なアプリを提供することは、たいへんな仕事だ。時間もかかるし、複雑難解だし、費用もかかる。しかも市場には次々と新しいデバイスが登場するから、デベロッパはそれらに対してもっと容易にテストできる方法を求めている。AWS Device Farmはデベロッパに、自分のアプリの、複数のデバイスタイプ上の実際のユーザ体験をテストできる、とてもシンプルで費用効率の良い方法を提供する。これをAWSのそのほかのモバイルサービス、Amazon CognitoやAWS Lambda、Amazon API Gateway、Amazon Simple Notification Service(Amazon SNS)などと併用すれば、デベロッパは、すばらしいモバイルアプリをさらに容易に開発するための、完全なプラットホームを手中にする”。
AWSのそのほかのサービスと同じく、Device Farmにも無料プランがある。この場合は、250デバイス分までが無料だ〔例: 5機種に対して50分ずつ〕。それ以上では、1デバイス分あたり17セント、または1機種あたり月額250ドルを払う。これと比較するとXamarinの料金プランは、最低料金が毎月200デバイス時間まで1000ドルだ。テストする機種数に制限はない。Xamarinの登録ユーザなら、60分まで無料だ。Googleのサービスは、まだ料金が発表されていない。