ユーザベースが米経済メディアQuartzを買収——NewsPicks事業の海外展開を加速

経済情報の検索プラットフォーム「SPEEDA」と経済情報メディア「NewsPicks」を運営するユーザベースは7月2日、米国のオンライン経済メディアQuartzの全株式を取得し、子会社化することを取締役会で決議した。買収実行日は7月31日を予定している。

買収の対価は合計7500万ドル(約82.5億円)相当のユーザベース株および現金。また加えてQuartzの業績達成割合に応じた条件付対価(アーンアウト対価)がQuartzの出資者であるAtlantic Mediaに支払われる。Quartzの記事(英語)によれば、最終的に総額7500万〜1億1000万ドルが支払われると見られている。

Quartzは2012年に設立された経済メディア。ソーシャル時代、モバイル時代のオンラインメディアとしてサイトやアプリのUI/UX、コンテンツが注目されている。共同創業者のKevin J. Delaney氏とJay Lauf氏はQuartzの共同CEOとして今後も経営を続ける。Quartzは米国版NewsPicksのコンテンツ運営も引き継ぐ。

ユーザベースでは、「モバイルに適したクオリティの高いコンテンツを提供するQuartz社は、当社が北米のみならずグローバル展開を目指す上で最適のパートナーと考えた」と買収決定の理由について説明する。

同社はNewsPicks事業で2023年までに全世界1000万ユーザー(MAU)、有料会員数100万人の“世界で最も影響力のある経済メディア”となることを目指すとしている。2017年にはDow Jonesと合弁会社を設立し、米国市場に進出。2017年11月に立ち上げた米国版NewsPicksでは、DAUの伸びが日本版立ち上げ時の2倍ペースで成長しているという。

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TechCrunch Japan

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