リアルタイムのストリームデータサービスKafkaは、5年あまり前にLinkedIndで生まれた。その後KafkaはApacheのオープンソースプロジェクトになり、最初のデベロッパたちは昨年LinkedInを去って、企業向けにKafkaサービスを提供していくConfluentを立ち上げた。
そのConfluentが今日(米国時間7/8)、Index Ventures率いるシリーズBのラウンドで2400万ドルを調達したことを発表した。これには、同社の700万ドルのシリーズAを仕切ったBenchmark Venturesも参加した。
Confluentの計画では、この資金は同社のプラットホームの充実強化に充てられる。具体的には、セキュリティ機能と管理ツールを改良し、Kafkaのストリーム処理能力も強化する。また、既存のデータベース用のプラグインも、対応データベースを今より多くしていく。
Apache Kafkaの中核的な機能はリアルタイムのメッセージングサービスだ。たとえばLinkedInでは、毎日8000億あまりのメッセージを処理した(バックエンドツールとユーザへの通知を合わせて)。現在のユーザはたとえばLinkedIn、Netflix、Uber、Cisco、Goldman Sachsなどだ。そのリアルタイムの処理能力は、これから伸びる物のインターネット(IoT)関連のサービスや、同じく大量のデータを扱うオンラインのゲームサービスなどにうってつけだ。またマイクロサービスを軸とするアーキテクチャが主流になりつつある今日のトレンドでは、ユーザとデータベースのあいだを行き来するデータのためのハブおよびバッファとしてもKafkaが重宝されるだろう。たとえばHadoopが取り込むデータや、同じくLinkedIn生まれのApache Samzaがフィードするストリームの処理にも利用できる〔すでにKafkaを使用〕。既存のデータベースを抱える企業は、Kafka提供のプラグインを使ってそれらとKafkaを接続できる。そのため、データベースシステムを更新しなくても、これらの新しい技術を利用できる。
ConfluentのCEO Jay Krepsと技術部門のトップNeha Narkhede(彼らとJun Raoの計3名が協同ファウンダ)によると、今回Indexをラウンドのリーダーとして選んだのは、このVC企業が、過去にもHortonworksやElastic(元elasticsearch)を扱うなど、オープンソース企業の経験が厚いからだ。IndexのパートナーMike Volpiが、Confluentの取締役会に加わる。
そのVolpiは今日の発表声明の中で、次のように述べている: “Confluentのプラットホームは、それぞれ異なるチームによって作られた何百ものアプリケーションをサポートでき、それらの重要なアップデートにも対応できるほど、十分にスケーラブルであり信頼性にも富む。そのストリーム処理機能を既存のアプリケーションやデータベースに容易に統合して、リアルタイムの処理能力を持たせることができる。JayとNehaとJunの三名は高度にインテリジェントなプロダクトを作った。その今後の継続的な成長を支援できることは、まことに喜ばしい”。
ConfluentはKafkaを、サポートを伴う商用製品として提供するだけでなく、同プラットホームに関する技術的なコンサルティングや教育訓練サービスも提供している。