ストックホルムのスタートアップであるTeemycoを紹介しよう。彼らは仮想環境の中でオフィスでのやりとりを再現することを狙っている。部屋をイメージしたインターフェイスを使って、自然発生的な対話や、カジュアルなコラボレーションを促進したいと考えているのだ。それぞれの従業員は、実際のオフィスのように、ある部屋から別の部屋へと移動する。
もし実際のオフィスで仕事をしなくなっているなら、おそらくメール、Slack、Microsoft Teams、Zoom、Google Meetあるいはこれら全部を組み合わせたものに大きく依存しているのではないだろうか。こうしたツールは、果たすべき用途に対しては完璧に機能するものの、多くの企業は大切な情報が失われていると感じている。コーヒーマシンの前で居合わせた同僚に、気軽な質問をするというわけにはいかないからだ。
Teemycoを使用する場合、各ユーザーは仮想部屋で作業を行う。デフォルトでは、ロビーで作業することになる。ロビーは複数の机が置かれたオープンスペースと考えることができる。事前に予定されていてもいなくても、会議を行いたいときには、ロビーから他のユーザーたちを呼び集めて、新しい部屋を作ることができる。
その新しい部屋の中で、音声通話やビデオ通話を始めることができる。画面の隅に同僚たちを表示しながら、自分のドキュメントに集中したり、全画面でビデオ通話を行ったりすることもできる。用事が終わったら部屋を出ていくことができる。
こうしたやり取りは、ビデオ会議サービスで体験するものよりは堅苦しくない。Zoomルームへのリンクを送信する必要はないし、カレンダーを使った招待状を送信する必要もない。ただみんながふらりとやってきたり、ふらりと去っていくだけだ。
もし重要な作業をしている場合には、フォーカスルーム(集中部屋)に移動して、15分ごとに割り込まれたりしないようにすることもできる。他の人が仮想デスクからあなたを引き剥がすことはできない。もしトイレに立つときには、外出中を掲げた部屋に自分を置いておくことができる。そうした部屋はステータス表示として利用することができる。
またTeemycoを使って、お気に入りの同僚の隣で作業することもできる。部屋を作成しトランシーバー機能を使用して、一日中素早くやり取りを続けることができる。そしてもちろん、仕事に関係のない雑談のための休憩室を作ることができる。
Teemycoはまだ若い会社だ。この製品はベータ版のみが提供されている。同社はLuminar Venturesが主導しAntler、Gazella、その他の複数のビジネスエンジェルたちが参加したシードラウンドで100万ドル(約1億1000万円)を調達した。
またこの製品はどんな企業にも役立つわけではない。例えば何百人もの従業員を抱える企業に適しているかどうかはわからない。内向的な人は、リアルタイムコミュニケーションを好まないかもしれない。
リモートファーストの企業であれば、透明性のある文化(未訳記事)を持つことが重要であることを理解しているだろう。書面による情報は、ビデオ会議よりも常に透明性が高い。
それでも企業文化によっては、Teemycoのようなものが役立つ場合があるだろう。それを使うことで、共有ドキュメントや内部コミュニケーションツールに保存されている情報を補強することができる。
これは、物理的なオフィスとリモートチームを比較する避けられない議論が、単なる二元論的な問題ではないことを証明する興味深いプロダクトだ。なお企業は特定のニーズに応じて様々な調整を行うことができる。
カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Teemyco リモートワーク
画像クレジット:Teemyco
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(翻訳:sako)