今どきのおもちゃは、なかなかすごい。そうは言っても、誤解しないでいただきたい。私も実家の物置に、何十年もホコリをかぶりっぱなしのアクションフィギュアの類を大事に保管してある口だ。それでも、このレゴ版スーパーマリオのセットにはびっくりした。これなら、何日でも遊び続けられそうな気がする。
断っておくが、私自身は、まだこれを実際に見たことはない。その点では、読者と大して変わらないかもしれない。レゴを取材したときも、まだ答えてもらえない質問が山ほどあった。たとえば、価格や、今年の後半という以上に正確な発売時期といった重要な情報についてもだ。それでもなお、これを見ると強いノスタルジーに包まれ、当時のゲームサウンドが頭の中で鳴り出してしまう。
レゴによれば、この製品は4年間のコラボレーションの成果だという。同社の言葉を借りれば、「シンプルなものを作るには、複雑なことをしなければならないと分かりました」ということ。ここで言う「シンプル」とは、何十年もの間、様々な会社が挑戦し、失敗を繰り返してきた、スーパーマリオブラザーズを、現実の世界のモノとして実現する際に解読しなければならない暗号のようなものかもしれない。ここでは、それが子供たちが自分の手で組み立てて遊べるゲームのステージとして実現されている。スーパーマリオメーカーの1画面を、現実世界に取り出してきたような感じだ。
ここでもっとも重要な要素は、マリオのフィギュアだ。同様の他製品よりもはるかに優れている。小さなLEDディスプレイが4つ(両方の目と口と胸に)仕込まれていて、状況に応じて表示を変える。またスピーカーも組み込まれ、チャールズ・マルティネット(Charles Martinet)氏が吹き込んだ懐かしいマリオの声をしゃべることもできる。さらにマリオの足の底には、秘密のカラーセンサーもセットされている。今どの色のブロックの上にいるのかを知り、ディスプレイの表示を変えて、笑ったり、顔をしかめたり、マリオが表情を変化させるのだ。
Nintendo Switchと連動して、ゲームが楽しめるような機能は備えていない。これは拡張性という点ではちょっと残念だが、あえてビデオゲームシステムではなく、レゴのセットを買おうという保護者にとっては、利点と言える。とはいえ、そのうちに他のシステムと協調動作するようになるかもしれない。スマホやタブレットと連携させるのは、それほど難しくないだろう。ただし、任天堂やレゴが、そうした計画を具体的に語っているわけではない。
また、マリオの動きを検出するジャイロスコープや加速度センサーといった、他のセンサー類が搭載されているかどうかについても明らかにされていない。マリオの表情をLEDディスプレイに表示するためのバッテリーが内蔵されているのは間違いないが、それが充電可能なのか、あるいは交換するタイプなのかさえ、現時点では不明だ。発売が近付けば、もっと詳しい情報が入手できるはずなので、そのときはすぐに報告しよう。
これまでに気付いた範囲では、得点を表示する機能もないようだ。作成したステージでゴールするまでの時間を計るカウントダウン式のタイマーは内蔵しているが、ズルしないでちゃんとゴールできたかどうかは、今のところ自分で判断するしかない。もちろん友達と遊ぶ場合は、互いに相手の審判になればいい。
ヘイホー、かなりクールなパックンフラワー、そしてもちろんヨッシーなど、多くの馴染みのあるキャラクターも登場する。ただし、センサーや頭脳を内蔵しているのは、少なくとも今のところはマリオだけ。とはいえ、レゴの利点は、その持って生まれた拡張性にある。このセットも、標準のレゴのブロックと互換性があり、組み合わせて遊べる。
「私はずっとレゴ製品が好きでした。子供たちが想像力を使って遊ぶのを促しているという点も気に入っています」と、任天堂の執行役員でゲームプロデューサーの手塚卓志氏は、今回の発表にともなうリリースで述べている。「今回、私たちがレゴグループと協力して開発した新製品では、2つの異なるスタイルの遊びを組み合わせることを目指しました。1つはマリオの世界を自由に構築するというもの。そしてもう1つは、そうやって作った世界の中で実際にマリオと遊ぶというものです」。
繰り返しになるが、まだ詳しい情報は分かっていない。しかし、多くの子供たちが、そして大人も、この製品の登場が待ちきれない気持ちになることだけは、すでに明らかだ。
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(翻訳:Fumihiko Shibata)