ドローンのカメラはすばらしい鷹の目だが、単にカメラが撮影した映像以上のデータが必要な場合―たとえば詳細な3Dマップなど―その処理には何時間もかかることを覚悟しなければならない。しかしロッキード・マーチンの場合は事情が違うようだ。その名もクールなHydra Fusion Tooslと呼ばれるシステムはドローンが撮影したビデオだけを使ってリアルタイムで 3Dマップを作成できるという。
写真測量法(photogrammetry)の大進歩だ。ご存知ない読者のために説明しておくと、これは連続撮影された映像を詳細に比較することによって対象物の絶対的サイズ、距離を決定する技術を意味する。コンピューター写真測量法はきわめて有用なため、科学、軍事方面でさまざまな利用法が知られている。最近ではドローンの映像をベース史跡lが驚くほど精密に再構成されている。
ただしこの処理はすべてのピクセルを詳細にチェックしなければならないためコンピューターに非常な大きな負荷をかける。HDビデオを処理するとなれば以前のスーパーコンピューターなみのパワーが必要になる。幸い、現在のGPUボードはサンドイッチくらいのサイズに小型化されたスーパーコンピューターといってよい。ロッキード・マーチンは何枚かのGPUボードを使ってリアルタイムで3Dマップを作ることを可能にしたようだ。
出力結果は壁紙にして眺めたくなるような出来ばえではないが―初期のAppleマップのレベルを考えてみるとよい―ドローンのビデオがベースだということを考えると十分な精密さだ。このマップを利用すれば、ドローンはマップがなければ気づかないであろうビルや塔を避けながら地形に沿って低空を飛ぶことが可能だという。
これはドローンの偵察飛行ですばやく大まかな地図を作るのにも使えそうだ。米軍特殊部隊が使っているというiPhoneで表示するのによいかもしれない。
ロッキードのプレスリリースではHydra Fusionを作動させるために必要なハードウェアについては単に「商用コンピューターが利用できる」としているだけだ。私は価格とコンピューターの仕様についてロッキードに問い合わせておいた。回答があればアップデートするつもりだが、おそらく相当に高額なものになるのだろう。
画像: Lockheed Martin
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)