ロボット学者として知られる石黒浩教授は9月7日、大阪大学発スタートアップとして「AVITA株式会社」を設立するとともに、5.2億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、大阪ガス、サイバーエージェント、塩野義製薬、凸版印刷、フジキン。各社と事業連携を行いながら、アバターの社会実装に取り組む。
大阪大学大学院基礎工学研究科の石黒浩教授は、20年以上に渡り、人と関わるロボットやアバターを研究・開発してきた。今回、これまでの研究成果と、石黒教授がプロジェクトマネージャーを務めるムーンショット型研究開発制度、テーマ事業プロデューサーを務める大阪・関西万博などの様々なプロジェクト、また企業との連携によって新たに生み出す研究成果を社会に実装するための新会社としてAVITAを設立した。
AVITAは、「Virtualize the Real World」というビジョンのもと、アバター技術によって人々の可能性を拡張するという。人は、複数の自分(働く自分、家庭の自分、友達との自分など)で活動しており、アバターを用いれば、その自分を実世界でさらに多様に拡張し、状況や目的に応じた様々な自分として自由に活動できるとしている。このことを、アバターを用いた実世界の仮想化と多重化(virtualize the real world)と呼ぶという。
AVITAは、大学発スタートアップとして実世界の仮想化と多重化により、人々を解放する新たな世界を創造するとしている。