ロボット資産運用アドバイザーの「ウェルスナビ」が約6億円を資金調達

リスク管理アルゴリズムに基づく資産運用アドバイスを提供するスタートアップのウェルスナビが今日、グリーベンチャーズIVP(インフィニティ・ベンチャー・パートナーズ)、SMBCベンチャーキャピタルみずほキャピタル三菱UFJキャピタルおよびDBJキャピタルと約6億円の資金調達に合意したと発表した。増資に伴ってグリーベンチャーズの天野雄介氏が社外取締役に就任している。

ウェルスナビは2015年4月に設立されたFintechスタートアップで、2015年7月に5000万円のシード資金をIVPから調達していたので、今回の6億円の資金調達はシリーズAということになる。実際のサービスである「WealthNavi」は2016年にリリースする予定。現在はWealthNaviのサイト上では資産運用のシミュレーションを使うことができる。正式版リリース時には、実際の取り引きができるようになる。現在のシミュレーションでは数個の質問に応える形で判定しているが、自分でリスク許容度を設定できるようにもなるようだ。

wealthnavi

WealthNaviは「世界水準の資産運用とリスク管理をすべての人に」がコンセプト。ウェルスナビが世界水準と呼んでいるのはリスク管理に基づいた国際分散投資のことで、ユーザーのリスク許容度に応じて最適なポートフォリオを提示する。人間のファンド管理者による作為的なポートフォリオ提示ではなく、分散投資理論に基いているのが特徴という。ウェルスナビ創業者の柴山和久氏は、東京大学法学部卒業後にハーバード大学で金融取引法を学んだ後、日英での9年間の財務省勤務を挟んで、経営大学院のINSEADで金融工学を学んだ金融の専門家でもある。創業前のマッキンゼー在職時に、ウォール街に本拠を置く機関投資家を1年半サポートして10兆円規模のリスク管理・資産運用プロジェクトに従事していた。この時の経験から、機関投資家やプライベートバンクを通して富裕層しか恩恵を得ることができなかった資産運用のノウハウを民主化する、というウェルスナビの創業アイデアに至っているそうだ。

こうした資産運用サービスは、アメリカでは「ロボットアドバイザー」もしくは短く「ロボアドバイザー」と呼ばれていて、WealthfrontBettermentといったスタートアップ企業が知られている。Wealthfrontは現在すでに約3150億円もの資金を運用していて、急速に成長している。

ちなみにウェルスナビは、11月17日、18日に開催するTechCrunch Tokyo 2015のスタートアップバトルのファイナリストで、18日午後の決勝戦に登壇予定だ。

TechCrunch Tokyo 2015チケットはこちらから→

TechCrunch Tokyo 2015学割チケットはこちらから→

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。