主な顧客が観光案内所であるスタートアップにとって2020年はかなり厳しい年だったとあなたは思うかもしれない。しかしCEOのMonir Parikh(モニール・パリク)氏は、Bandwango(バンドワンゴ)の顧客ベースが75から200へと倍以上に増えたと話した。
パリク氏によると、ユタ州に本社を置くスタートアップMurray(ムレイ)は「事業所とコミュニティをつなげる」ためのDestination Experience Engineと呼ばれるプラットフォームを構築した。これは、地元のレストランや小売業者、ワイナリー、ビール醸造所、州立公園などを「Newport Beach Dine Pass」「Travel Iowa State Passport」といったパッケージディールにまとめ、観光案内所がそれを販売する。
パンデミックが観光業界に大打撃を与えたことは疑う余地はない。しかしそれに応じて観光業界の組織の多くは、地元の人を近所の事業者やアトラクションをサポートしようかという気にさせるかもしれないディールに注力するようになった。パンデミックが収まった後でも観光案内所は「ローカルに照準を当てた観光が取り組むべきことの一部で、地元の人が大使となり、そうした人々は最良のオーガニックマーケットチャンネルだ」と考え続ける、とパリク氏は予想した。
加えて、パリク氏は新しいプライバシー規則がオンラインビジターについてのデータ収集を困難にしていて、観光案内所にとって「経済的影響力を持っていることを出資者に証明する」のはますます難しくなる、と話した。そのため、かつてお得な情報を広告し、実際に購入するサイトに顧客をつなげる役目を担っていた観光局にとって、情報そのものを販売することは自らの価値を証明する新たな方法となった。
2020年の成長を元に、BandwangoはNext Frontier Capitalがリードするシードラウンドで310万ドル(約3億3700万円)を調達した。本ラウンドにはKickstart、Signal Peak Ventures、SaaS Ventures、Ocean Azul Partnersも参加した(Bandwangoが本ラウンド以前に調達した資金はわずか70万ドル、7600万円だ)。
今までBandwangoは主にフルサービスオプションだったとパリク氏は話した。結局のところ、セールスポイントは観光案内所がすでに「ローカルの事業者と良い関係を築いていること」だ。しかしBandwangoはお得な情報を提供し、そうした情報を店舗で受け入れるために「地元の200もの事業者を説き伏せる」困難な仕事をさばくことができる。
「我々のモットーは、当社はあなたのバックオフィスになります、というものです」とパリク氏は付け加えた。しかし新たに調達した資金で、セルフサービス式のプロダクトも構築したいと考えている。「私がチームに話すことはこういうことです。12歳のティーンエイジャーと同様、90歳のおばあさんも当社のプラットフォームに訪れて、『ローカルのセービングプログラム、あるいはエールトレイルを作りたい。それを手伝いなしにエンド・ツー・エンドでやりたい』と言えるべきだと」。
Bandwangoは現在、顧客にホワイトラベルのソリューションを提供することに主眼を置いている一方で、ゆくゆくは自前の「プライベートラベルブランド」を構築することでこうしたディールを広範に展開するつもりだとパリク氏は話した。
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(文:Anthony Ha、翻訳:Nariko Mizoguchi)