ヴァージン・ギャラクティック初の商用フライトは7月の事故原因調査のためFAAが飛行停止に

先の記事で、Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)初となる商用飛行は2021年9月だと報じた。

早とちりしてしまったのかもしれない。米国時間9月2日午後、米連邦航空局(FAA)は、7月11日に行われたVirgin Galacticの有人飛行に関する調査結果が出るまで、追って通知があるまですべての同社を飛行停止にすると発表した。

「Virgin Galacticが最終的な事故調査報告書を承認するか、事故に関する問題が公共の安全に影響しないと判断するまで、SpaceShipTwoをフライトに戻すことはない」とFAAは述べている。

7月11日のミッションは、同社の億万長者で創業者のRichard Branson(リチャード・ブランソン)氏を含むスタッフとクルーに負傷なく完了したが、最近になって、スペースプレーンが許可された空域外で軌道を逸脱していたことが明らかになっている。

飛行時にスペースプレーンのダッシュボード上の赤い警告灯が点灯し、計画軌道を外れたことをを示した。FAAの発表によると、スペースプレーンは合計1分41秒間、軌道を外れて飛行した。その航路逸脱はThe New Yorkerが最初に報じた。

さらに規制当局は「FAAには商用宇宙輸送の打ち上げと再突入操作の際に、一般市民を保護する責任を負っています。FAAはニューメキシコ州スペースポート・アメリカ上空で起きた7月11日のSpaceShipTwoの事故について、Virgin Galacticによる調査を監督しています。SpaceShipTwoはスペースポート・アメリカへの帰還時に、航空管制の許可を逸脱しました」。

調査が完了しその結果次第では、9月に予定されていた初の商用飛行は地上に留まるかもしれない。その飛行はイタリア空軍と全米研究評議会のメンバーを宇宙の端っこに送って、微小重力への移行が人体に与える影響を研究することになっている。しかしそれまでは、リチャード・ブランソン氏の超音速機企業は「地上待機」となる。

【更新】Virgin Galacticの広報はTechCrunchに対して、同社はFAAと協力して問題解決に努めてきた、と語った。声明の全文は以下のとおりだ。

以前もお話したように、私たちはFAAとのパートナーシップにより、宇宙船がUnity 22の飛行の間に、許された高度の下へ落ちた短い時間について調べている。私たちはこの問題を真剣に捉え、目下その原因を究明するとともに、将来のミッションにおける再発を防ぐ方法を模索している。飛行の最終的な軌道は最初の計画から逸脱したにもかかわらず、制御され意図された飛行経路によりUnity 22は、宇宙への到達と、ニューメキシコの私たちのSpaceportへの安全な着陸に成功した。この軌道の変化により乗客とクルーが何らかの危険に置かれた時間はゼロであり、宇宙船が人口密集地区の上空を航行したことや、一般の人たちに危害を及ぼした時間もゼロであった。その飛行の間にはFAAの代表者が機の制御室に同席し、飛行後の報告会見にも同席された。

画像クレジット:Axelle/Bauer-Griffin/FilmMagic/Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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