不動産テックスタートアップのOfferpadがSPACとの合併により公開へ

Offerpad(オファーパッド)はSPAC(特別買収目的会社)との合併により公開する最新のプロップテック(不動産テック)企業だ。

アリゾナ州フェニックスに拠点を置く同社は米国時間3月18日、Supernova Partners Acquisition Companyと合併し、公開する計画を発表した。合併取引は30億ドル(約3270億円)で評価された。

取引は2021年第2四半期または第3四半期初めに完了する予定。合併後の社名はOfferpad Solutions。ニューヨーク証券取引所で「OPAD」のティッカーで取引される。

2015年創業のOfferpadは、主にiBuyer(オンラインでサインアップした売り手から住宅を購入)として始まり、その後住宅を売買したい人々のためのワンストップショップになるべくプラットフォームの進化を進めてきた。たとえば今では、住宅改修のための貸し付けだけでなく、所有権移転や住宅ローンのサービスも提供している。同社は、長年にわたって負債で調達してきた数億ドル(数百億円)に加え、LL Fundsなどの投資家から1億5500万ドル(約205億円)を株式で調達した。

Offerpadは創業以来3万件の取引を実行し、総取引額で70億ドル(約7630億円)近くを達成したと述べている。同社は売上高について、2020年の見込額である11億ドル(約1200億円)から、2021年は14億ドル(約1530億円)に増えると予測している。ちなみに2016年の売上高は1億ドル(約109億円)だった。またOfferpadは2016年以来「住宅あたりの貢献利益がプラス」であると述べている。

同社は野心的な目標を掲げており、2022年に24億ドル(約2620億円)、2023年に39億ドル(約4210億円)の売上高を予想している。現在、16の市場で活動しており、最近デンバーとナッシュビルをリストに加えた。

この取引のためにSPACを設立したSupernova PartnersはSpencer Rascoff(スペンサー・ラスコフ)氏が率いる。同氏はシリアルアントレプレナーでHotwire、Zillow、dot.LA、Pacasoを共同で設立し、ZillowではCEOをほぼ10年務めた。

PIPE(上場企業の私募増資)の投資家には、Black RockとZimmer Partners、全米規模の住宅建設業者であるTaylor Morrison HomeCorpなどが管理するファンドや会社が含まれる。

Offerpadは、Supernovaと提携して公開会社になることで、市場の「より多くを得るために成長を加速」できると述べた。同社は現在、全国の900以上の市や町で事業を展開しており、全国への拡大を計画している。

ラスコフ氏は、Offerpadがオンライン不動産市場での「巨大なピースをつかむのに非常に良い位置にいる」と信じている。

「iBuyingは、世界最大の規模をもつ市場の1つである不動産のほんの表面をなでているに過ぎません」と同氏は声明で述べた。「一般的に、食料品、自動車、製薬などの他の業界とは対照的に、不動産は引き続き極めてアナログですが、消費者はオンラインソリューションを求めています。消費者が多くの取引をオンラインで行うようになり、私たちはオンライン不動産全体が今後数年間で急速に成長する準備が整ったと信じています」。

Offerpadは、Opendoor、Redfin、Zillowなどの企業と競合している。

取引の一環として、既存のOfferpadの株主は、保有株式の100%がそのまま合併後の会社の株式となり、クロージング時に合併後の事業体の約75%を所有する予定だ。Offerpadの創業者でCEOのBrian Bair(ブライアン・ベア)氏は、合併後の会社の議決権の約35%を保有する多議決権株式を受け取る。

2021年3月初め、不動産テックのスタートアップであるDoma(以前はStates Titleとして知られていた)は、SPACのCapitol Investment Corp. Vとの合併により、債務を含めて30億ドル(約3270億円)の評価で公開すると発表した。

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カテゴリー:その他
タグ:OfferpadSPAC不動産

画像クレジット:manusapon kasosod / Getty Images (Image has been modified)

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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