Khariis(カリス)は6月23日、世界における日本酒の消費市場拡大およびプロモーションを目的に、海外の消費者・ソムリエと日本の酒蔵がつながるアプリ「Sakeist」(サケイスト)のiOS版/Android版を公開した。公開時のバージョンは日本語および英語のみサポートしており、2020年以内にフランス語版をリリース予定。
Sakeistでは、ユーザーが日本酒ラベルをスマホで撮影すると、お酒の画像がSNSのニュース・フィードのように表示される日本酒版SNS機能を用意。レビュー投稿可能なほか、世界中のレビューを閲覧できる(自動翻訳機能搭載)。世界中のSakeistユーザーが、自分が知らなかった日本酒に出合いやすくしている。
また日本酒自体については、ワインテイスティングを軸としたマトリックス「Tasting Matrix」によりどんな味わいなのかひと目でわかるようにしたほか、酒蔵公式の画像により造り手の歴史背景も解説。日本酒を扱うレストランの検索も行え、もし登録がない場合は、Sakeistユーザーが自分で新たに登録できる。
「日本酒クイズ」では、日本人をはじめ海外の消費者やソムリエが日本酒造りにおける手間のかけ具合がわかるよう、さまざまなクイズを用意。「用語ディクショナリー」では日本酒ラベルに記載されている「山田錦」「あらばしり」「袋しぼり」など、日本酒特有の専門用語を検索し学べるようにしている。
日本酒輸出市場は、和食が2013年にユネスコ「伝統的無形文化遺産」として登録されたことなどがあり右肩上がりに成長を続けており、2019年の輸出総額は約234億円に上るという。しかし、日本酒ラベルの多くは日本語のみが記載されており、「純米大吟醸」のような種別を表す用語の意味を理解できる消費者は海外では極めて少ない状況にある。そのため、海外における消費者数・消費量の拡大において日本酒業界は課題を抱えている。
さらに、海外ソムリエと消費者の多くは日常的にワインを愛飲しているため、ワイン目線での用語解説や味わいについての多言語での解説・紹介する情報源が求められているそうだ。世界のワイン業界では、ワイナリー(造り手)のストーリーが重要視されるものの、日本酒の酒蔵ごとのストーリーを英語などで紹介する例が少なく、課題となっていた。
これら状況の解決とともに、日本酒を「世界酒」として定着させることを目指し、消費者・プロフェッショナル(ソムリエ)・酒蔵が繋がる強固なコミュニティの育成も目指し、KhariisはSakeistアプリを2019年から開発したという。
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