米政府による制裁は引き続きHuawei(ファーウェイ)にダメージを与え続けており、中国最大のスマートフォンメーカーである同社の同国でのスマートフォン出荷の勢いを削いでいることがCanalysの最新レポートで明らかになった。しかしHuaweiの出荷減はApple(アップル)含む主要ライバル企業にとっては新たなチャンスとなっている。
iPhone 11とiPhone 12のおかげで、Appleの中国での2020年第4四半期業績はここ数年の中で最高だったとCanalysは指摘する。通年の出荷台数は2018年の水準に戻り、四半期としてはiPhone 6sがローンチされた2015年第4四半期以来、最も多くなった。
2020年の中国における全スマホ出荷台数は前年比11%減の3億3000万台で、Huaweiが新たな端末を出荷できないことがマーケット回復を妨げた。Huaweiデバイスに対する中国国内の需要は依然として大きいものの、同社は米国企業との取引を禁止するトランプ政権時の米政府による制裁への対応に苦慮し、新たなチップを確保する能力が著しく落ちた。
2020年5月、HuaweiのGuo Ping(グオ・ピン)輪番会長は、集積回路のような半導体部品をデザインできても「他の多くをこなすことはできない」と述べている。
そうした事情で、同社は自社デバイスに対する需要に対応することができない。しかしこれはライバル企業にとって新たなチャンスとなっている、とCanalysのモビリティ担当副社長Nicole Peng(ニコール・ペン)氏はレポートに書いた。「Oppo(オッポ)、Vivo(ビボ)、Xiaomi(シャオミ)は過疎地を含め中国各地にあるHuaweiの実在店舗パートナーを獲得しようと争っています。そうしたパートナー企業は店舗拡大やマーケティング支援で莫大な投資を受けてきました。こうした投資は迅速に結果をもたらし、マーケットシェアはものの数カ月で改善しました」。
AppleもHuawei減速の恩恵を受けた。というのもHuaweiのMateシリーズは高価格カテゴリーにおけるiPhoneの主要ライバルであり、第4四半期に出荷されたMateはわずか400万台だったとCanalysの調査アナリストAmber Liu(アンバー・リュー)氏は書いている。「さまざまなeコマースサイトでの積極的なオンライン販促、広く利用できるトレードインプラン、大手銀行との手数料なし分割払いなどがAppleの輝かしい業績につながりました」。
2020年第4四半期の中国本土のスマホ出荷台数は前年比4%減の8400万台だった。Huaweiは出荷台数では1位の座を守ったが、マーケットシェアは前年の41%から22%に急激に縮小した。出荷台数はわずか1880万台で、ここには低価格ブランドHonorの台数も含まれる。Huaweiは2020年11月にHonorの売却で合意している。
一方、Huaweiの主なライバル企業は軒並み2020年第4四半期に出荷台数を増やした。Oppoが第2位で、出荷台数は前年同期比23%増の1720万台だった。Oppoと熾烈な争いを繰り広げているVivoは1570万台だった。Appleは1530万台超を出荷し、マーケットシェアは前年同期の15%から18%に増やした。トップ5に入り込んだXiaomi(シャオミ)は1220万台を出荷し、この数字は前年同期比52%増だった。
Honorを売却するというHuaweiの決断は、Honorがすでに消費者に認識されているブランドであるため、Honorが2021年にマーケットシェアを急拡大させることを意味する、とペン氏は書いている。5Gもまた中国のスマホ出荷、特にプレミアムモデルの出荷を後押しすると予想されている。
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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Huawei、スマートフォン、中国
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(文:Catherine Shu、翻訳:Nariko Mizoguchi)