中国のAmazonアグリゲーターNebula BrandsがLVMH系投資ファンド主導で約57億円調達

2021年は、エグジットを目指している中国のAmazon(アマゾン)ベンダーにとってバラ色の年となった。ロールアップ(ブランドアグリゲーター)は、中国の輸出向けEC市場に資本を投入し、販売者をすくい上げている。例えばシリコンバレーのMarkaiが、中国ブランドを買収するためにPear VCやSea Capitalなどの投資家からシードラウンドで400万ドル(約4億5000万円)を調達したように、ロールアップ企業自体もベンチャー投資に支えられている。

そして中国をターゲットにした他のアグリゲーターも、より多額の資金を調達している。北京に拠点を置くAmazonアグリゲーターであるNebula Brandsは、シリーズBで5000万ドル(約57億円)を超える資金を調達したと中国時間12月7日に発表した。このラウンドは、コンシューマーテクノロジーに特化したグローバルなプライベートエクイティ企業であるL Catterton(Lキャタルトン)のアジアファンドが主導した。

今回のラウンドには、NebulaのシリーズAの投資家であるMatrix Partnersと、エンジェル投資家のAlpha Startup Fundも参加した。同社はこれまでにおよそ6000万ドル(約68億円)を調達している。

Amazonが巨大企業に成長したことで、中国のサードパーティベンダーの多くも繁栄し、数百万ドル(数億円)規模のビジネスになった。これらの輸出業者は、成長を維持するために、より大きな資本と人材を必要としており、業績の良い業者には2つの選択肢が存在する。さらに規模を拡大するためにエクイティ資金を得るか、ビジネスを売却して次に移るかだ。後者の場合、ロールアップの出番となる。

Nebulaの共同設立者であるWilliam Wang(ウィリアム・ワン)氏は声明でこう述べている。「中国のサードパーティベンダー市場は急速な成長を遂げており、世界中のAmazonのお客様に高品質な製品を効率的に提供することができます」。

「フルフィルメントby Amazon(FBA)のベンダーを集約してオペレーションを強化するモデルは、欧米の一部の市場ではすでに非常に効果的であることが証明されており、Nebula Brandsが主導する中国でも広がっていくことでしょう」。

Nebulaは新たな資金を得て、Berlin Brands Group、Razor Group、Thrasioなど、中国の販売者を狙っている海外のアグリゲーター各社と競合することになる。5月に設立されたばかりのNebulaは、すでに1社を買収しており、年末までにさらに数社を買収する予定だとTechCrunchに述べている。

Nebulaは現在、中国で50人以上の従業員から構成されるチームを運営しており、そのスタッフは「有名なeコマース企業、テクノロジー企業、金融企業での勤務経験から、市場に関する深い知識と、現場でのソーシング、アンダーライティング、オペレーションに関する豊富な経験を有しています」と述べている。同社の共同設立者は「上場企業」でCEOを務めたRyan Ren(ライアン・レン)氏、Lenovo(レノボ)で統合マーケティング責任者を務めたWilliam Wang(ウィリアム・ワン)氏、Wayfair(ウェイフェア)でサプライチェーン部門長を務めたHardys Wu(ハーディーズ・ウー)氏の3名だ。

画像クレジット:VCG/VCG via Getty Images

原文へ

(文:Rita Liao、翻訳:Aya Nakazato)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。