中国政府は米国政府の要請に応じて複数のハッカーを逮捕した。 中国国家主席習近平が米国を訪問する2週間前のことだ。
逮捕のニュースは金曜日(米国時間10/9)にWashington Postが報じ、中国のサイバーセキュリティがやや進歩した証であると伝えた。それは、オバマ政権が中国に対し、米人事局侵入をはじめとする同国が関与したとされる注目のハッキング事件を受け、厳しい経済制裁を行うと脅して緊張が高まる最中に起きた。
最近中国は、米国に対する攻撃を抑制すると発言していたが、今日の記事は中国が行動を起こしていることを明らかにした。この逮捕は、2週間前に米国が中国と交わしたサイバー協定よりもおそらく意味がある。当時多くの人々が空約束にすぎないと心配していた。
協定は歴史的合意であると言え、それは両国がサイバーセキュリティについて対話可能であることを示したからだった ー この問題は二国間に長年緊張をもたらしてきた。ホワイトハウスは概況報告書にこう書いている:
米国と中国は、両国政府とも企業機密その他の秘密ビジネス情報を含む知的財産権のサイバー犯罪を、企業あるいは商業部門に競合優位性を与える意図を持って、実行あるいは故意に支援しないことに合意する。
しかし、これはすぐにサイバーセキュリティ分野の専門家から批判を受けた。LawfareのPaul Rosenzweigは、協定に対し皮肉をこめてこう見出しを付けた「今の方がずっと安心できる」。協定は曖昧であり両者がどう責任を持つかについてほとんど説明がなされていなかった。
しかしStandord大学のサイバーセキュリティ学者、Herb Linは、このおかげで首脳会談が物別れに終わらなかったとしている。彼は、双方とも行動を起こす必要があった、と言った。
金曜日の報道は、その注意深い楽観論を裏付けた。米国と中国は両国間の協定を支持するために、今後も行動を起こし続ける必要があるのは明らかだが、少なくとも今回の逮捕は、中国が変わるためのドア開いたことを示している。
真のテストは、中国がいつまで協定を守れるかだ。習近平が米国を離れたわずか数日後、 The Daily Beastは、軍の仕事を請け負う米国企業を中国スパイが今もハッキングしていることを報じた。厳密に言えば、国家安全保障を目的としたこうしたハッキングは、必ずしも中国の商業的関心によるものではないが、最近の協定がいかに危ういかを浮き彫りにした。
逮捕も協定も、中国との関係改善に向けて有望な一歩を示すものたが、それは非常に長いであろう道のりのほんの始まりにすぎず、ただ一つの違反によっても脱線しかねない。