中国Kandiが米国で200万円台の格安電気自動車を販売開始

中国の電気自動車とパーツのメーカーであるKandi Technologies(康迪、カンディ・テクノロジーズ)グループは、その子会社であるKandi Americaを通じて電気自動車2車種を公式に米国で販売することになった。このニュースが流れると、その日の同社の株価は上昇した。

KandiのNASDAQでの株価は米国時間7月30日、3.38ドルで取引を開始し、16.51ドルに跳ね上がった。本稿執筆時点では9ドル弱で落ち着いている。

Kandiは、2年ほど前から米国で電気自動車を展開すると話していた。そしていま、まずはテキサス地区限定で早ければ2020年末に2つの車種が販売される運びになった。どちらも価格は、米連邦政府の補助金を入れない金額で3万ドル(約313万円)以下に設定されている。

画像クレジット:Kandi America

米国で発売される2車種のうちのひとつは、KandiのコンパクトカーであるK27。同社によれば、17.69KW/h(キロワット時)のバッテリーを搭載し、走行距離は最大100マイル(約160km)とのこと(EPA電費かどうかは不明)。K27の価格は2万499ドル(約214万円)からで、7500ドル(約78万円)ぶんの連邦政府の所得税控除の対象となる。これを加味するとK27の価格は1万3000ドル(約136万円)を下回ることになるが、思わぬ追加価格がかかる恐れもなきにしもあらず。

もうひとつ米国で販売予定なのが、やや大きめのK23だ。これは小型の電動SUVで、41.4KW/hのバッテリーを搭載し、走行距離は180マイル(約290km)を超えるという。K23の価格は3万ドル(約313万円)を少し切るところから始まる。これも米連邦政府の所得税控除の対象となる。

この2つのEVは、米連邦政府の補助金を入れなくても、Tesla(テスラ)のModel 3、日産のリーフ、現代自動車(ヒュンダイ)のIoniq(アイオニック)、KIA(キア)のKona EV(コナイーブイ)などなど米国で売られているどのEVよりも安い。

「ターゲットは、EVを選択肢に入れることが少ない米国の中流層だ」とKnadi Technologiesの会長Xiaoming Hu(胡暁明、フー・シャオミン)氏は声明の中で述べている。Kandi AmericaのCEOであるJohnny Tai(ジョニー・タイ)氏も同じ考え方を示した。

「電気自動車は、効率性、持続性、革新性において長年評価されてきました。しかし、高性能な電気自動車は欲しいが、理想の車を所有すれば、その他の現代生活のあらゆる快適性が往々にして犠牲にされてしまいます。Kandiは、多くの人のEVの購入体験に革命を起こすことで、それを変えようとしています」とタイ氏は言う。「Kandiの指名は、電気自動車をすべての人の手の届くものにすることです」。

この2車種は、明らかに入手可能な基準をクリアする。問題は、価格の他に、信頼性や性能などを含む、米国人が重要と思う項目のリストにチェックマークが入れられるかどうかだ。

これらの車は、Kandi Americaが拠点を置くテキサス州ガーランドの、Kandiの100%子会社のSC Autosports(エスシーオートスポーツ)から発売される。ダラスとフォートノースでの販売から開始される予定だと同社は話していた。

画像クレジット:Kandi Technologies Group

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(翻訳:金井哲夫)

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TechCrunch Japan

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