中国Luckin Coffeeが320億円の不正会計疑惑で内部調査を開始

中国拠点のLuckin Coffee(ラッキンコーヒー)は、世界最速で成長中のコーヒーチェーンであり、わずかな店舗とデリバリー・キオスクだけだった会社が、わずか数年のうちに何万店舗へと、世界第2位の経済圏でStarbucks(スターバックス)の積極的展開をも上回るペースで急成長している。

しかし、こうした数字は彼らの真の姿を表してはいないかもしれない。

SEC(証券取引委員会)に本日提出された資料によると、Lucin Coffee取締役会は前COOのJian Liu(リアン・リュー)氏が同社の売上を初期予測より3億ドル(約324億円)以上過大報告していた疑いについて内部調査を開始したことを発表した。経費も同様に水増しされていたと取締役会はみている。法律事務所のKirkland & Ellisが内部調査の法律顧問を担当している。

同氏の正確な居所はわかっていない。

詐欺容疑は2019年第2四半期に始まったとみられているが、詳細は同社の調査結果を待たねばならない。同社は投資家に対して、最近の同社の財務諸表を信用しないよう提出書類で伝えた。問題が露見した今、財務諸表は不正確であると考えられている。

American Depositary Receipts(米国預託証券)として取引されているLuckin株は、現在70%下落していることをYahoo Financeが示している。

関連記事:いまさら聞けない中国預託証券(CDR)入門、 1兆ドル規模の投資市場の誕生か

内部調査開始の発表は、同社が新たに2名の外部取締役を任命したわずか数日後のことだった。先週同社は、中国の人材会社Zhaopin(招聘)と香港の通信会社UTStarcom(UTスターコム)でCFOを務めた経験豊富な経理担当役員であるTianruo Pu(ティアンルオ・プー)氏、およびサプライチェーンの幹部でコングロマリットであるCharoen Pokphand Group(CPグループ)とLuckinの競争相手であるStarbucksにも所属していたWai Yuen Chong(ワイ・ユン・チョン)氏の二人が、同社の監査委員会に独立取締役として加わったことを発表した。

関連記事:China’s Luckin Coffee raises up to $651M in upsized US IPO

Luckin Coffeeは2019年5月にNasdaqで華々しいIPOデビューを果たし、6億5080万ドル(約700億円)という巨額を集めた。そのわずか数週間前には非公開ラウンドでBlackrockから資金調達していた。同社はその爆発的成長と膨大な損失の両方で知られている。2018年の決算(同社が発表した詐欺容疑以前)では売上1億2500万ドル(約135億円)、損失4億7500万ドル(513億円)を報告していた。

画像クレジット:SOPA Images/ Getty Images

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。