ボルチモアのApkudoが今週、“Apkudo Approved”(Apkudo公認)という事業を立ち上げ、AndroidアプリとAndroidデバイスの相性をより良くするという同社のこれまでのサービスを一層強化することになった。同社の、デベロッパとデバイス、あるいはデバイスとキャリアの仲立ちをするという役割は、それ自身が成長市場だ。つまり同社は、Androidのハードウェア市場の、分裂した、ときには迷路のようでもある地形を、上記二者がより歩きやすくなるようにしてくれるのだ。
Tier-1キャリア(最大手元締キャリア, MNO)は通常、発売前のデバイスに対して徹底的なテストをする。BlackBerryは最近、BlackBerry 10の発売にあたってそのテストのことを一般に公開したが、でもそれは、すべてのキャリアがすべてのデバイスに関してやっていることだ。Apkudoはそのようなテストを、Tier-2以下のキャリア(MVNOなど)にサービスとして提供する。小規模キャリアは、徹底的なデバイステストを行えるだけのリソースがないことが多いからだ。
Apkudoが行うテストには、キャリアのデベロッパパートナーから提供される2万も3万もあるアプリを動かして、そのパフォーマンスをチェックすることが含まれる。CEOのJosh Matthewsによると、その具体的な作業は、短い時間間隔で撮った画面の連続写真を調べてコマ落ちを見つけるといった、細かい作業の積み重ねだ。これまでテストして結果を提供できたデバイスは1700あまり、それらのOEMの名は明かせないが、だいたいわれわれが名前を知っている今現役のスマートフォンなら、どれも同社のテスト対象になっているそうだ。
“Androidデバイスは価格も仕様もピンからキリまであるが、高機能な製品を安く提供できることはキャリアのマーケティングにおける重要な武器なのだ”、とMatthewsは説明する。“しかし機種間の質の違いが大きいために、アプリのパフォーマンスには大差が生ずることもある。それが、非常に高い返品率と顧客の不満の原因になる”。
Apkudoのサービスによってキャリアは、ハードウェアを消費者に提供する前にハードウェアの隠されたデータを自分で知ることができる。だから中小のキャリアは、デバイスを細部まで調べたことの証拠として、これから検討するデバイスが“Apkudo Approved”であることを求めるのだ。そのことはもちろん、Apkudoにとっても大きな利益になる。しかし同社は、もう一つの顔をOEMたちに向けて、彼らにもデバイスの正しいアップグレードのための重要なテストデータを提供している。
Matthewsによると、同社はモバイルデバイスのアプリテストというレアな業態であるため、技術的には優位である。毎日々々来る日も来る日もデバイスとソフトウェアの突き合わせをやっているのだから、どのキャリアよりも、どのOEMメーカーよりも、彼らの強みや弱みを判定する能力が高いのだ。立場が、いかなるキャリア〜OEMに対しても中立であることでも、同社は有利だ。
目下Apkudoの年商は500万ドルほどだが、顧客の中にはCricket、Cincinnati Bell、Associated Carrier Group(C Spire、Alltelなどの小規模キャリアの団体)といった強力な面々がいる。同社のデベロッパ製品は無料だが、それは、これまで作ってきたライブラリによって同社が、キャリアとの十分に儲かる関係をすでに構築しているからだ。だからAndroidデベロッパが一連のデバイスで自分のアプリをテストしなければならないときには、自分でハードウェアを集めて苦労するよりも、Apkudoのツールを使った方が楽かもしれない。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))