京都を拠点とする農業スタートアップの坂ノ途中が総額6億100万円を調達

京都を拠点として持続可能な農業の普及を目指すスタートアップである坂ノ途中は5月16日、第三者割当増資により総額6億100万円の資金調達を発表した。調達額は累計で約8億4700万円となる。

引受先は、農林漁業成長産業化支援機構、Impact and Innovation、セラク、ナントCVC投資事業有限責任組合、京信イノベーションC投資事業有限責任組合、京都大学イノベーションキャピタル、NECキャピタルソリューション、みずほキャピタルなど。今回の資金調達により、生産者との連携強化、有機農産物のオンラインマーケット拡大、そして東南アジアのコーヒー事業の活動にあてる予定とのこと。

今回の資金調達は、農林水産省から認定を受けた取り組みに関わるもので、大半を出資する農林漁業成長産業化支援機構は、農業の6次産業化事業を支援するために設立された官民ファンドだ。

坂ノ途中は、新しく農業に就く人材をパートナーとした野菜中心のECを展開。現在、9割が新規就農者だという。同社が販路を担うことで参入障壁を下げつつ、付加価値のある有機野菜の栽培に特化することで持続可能な農業を目指す。具体的には今回の資金調達により、栽培管理システム、農作業アシスト機器、自社便やネットワーク物流便の拡大などを計画しているほか、旗艦店出店などによる集客の強化、需要の安定化に取り組むとのこと。

同社は有機農産物の生産者とバイヤーのマッチングサービスも運営している。2019年5月現在、424件の生産者と224件のバイヤーが登録している。こちらも資金調達により、2019年に受発注機能、将来的には請求・決済機能も組み込みたいとしている。

調達した資金は2016年にラオスでスタートした、コーヒー事業の拡大にも使われる予定だ。現在、ミャンマーとフィリピンにも進出しており、2019年にはタイ、イエメ ン、バリ、ネパール、中国と産地を広げる計画とのこと。同事業では、各地域のニーズに合わせて栽培方法や精製プロセスの見直しと高度化、資金面や販路構築をサポートしている。

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TechCrunch Japan

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