人材紹介会社のiCIMSが求人用ビデオのスタートアップAltruを約62.5億円で買収

企業向け人材紹介企業のiCIMSは、Altruを買収したと発表した。

iCIMSは取引条件についてコメントを避けたが、両社に詳しい情報筋によると、買収額は現金と株式の組み合わせで、合計約6000万ドル(約62億5000万円)だという。

2000年に設立されたiCIMSは、4000社以上の企業が新入社員の募集や誘致と雇用および既存社員のキャリア開発を支援するために利用している「タレントクラウド」を提供している。

元Marketo(マルケト)の最高経営責任者であるSteve Lucas(スティーブ・ルーカス)氏は2020年2月にiCIMSのCEOに就任した(iCIMSリリース)が、彼は「リクルートの世界は再発明の時期を迎えている」と語っていた。結局のところ、どの企業も周りで最も優秀な人材を採用したいといっているのに「刺激的で、素晴らしい人間を求めているはずの仕事を、なぜこんなつまらない仕事内容にするのか?」と、彼は疑問に思っていたという。

ルーカス氏は、動画がそのソリューションの鍵になると捉えている。これによって企業は、堅苦しく官僚的になりがちなプロセスに「信憑性」を持たせることができるからだ。ちょうど1カ月ほど前、iCIMSはこの分野で別の買収を発表した。パリに拠点を置くEASYRECRUEの買収だ(EASYRECRUEリリース)。

ルーカス氏によると、EASYRECRUEはビデオインタビューを充実させるツールを開発しているが、Altruは採用プロセスの早い段階で、企業が最も有望な候補者とのつながりを維持し、可能性のある仕事で彼らを興奮させようとしているとき、最も役立つという。

CTOのVincent Polidoro(ヴィンセント・ポリドーロ)氏と一緒にAltruを創業したCEOのAlykhan Rehmatullah(アリカン・レフマトゥッラー)氏(2人とも上の写真)によると、同社は創立当初、求人用動画の撮影と共有に重点を置いていた(未訳記事)が、その非同期型動画は企業全体でより広く利用されるようになってきているという。特に今年はそれが顕著で、チームが自宅で仕事をするようになり、誰もがSlackより表現力のあるコミュニケーション方法を探している中、「カレンダーに30分のZoom会議を追加する必要がない」ことをレフマトゥッラー氏は例に挙げた。

実際、ルーカス氏は筆者と話す前、自分のチームに買収について説明するためにAltruで動画を録画していたといっていた。彼はこのプラットフォームの使いやすさを賞賛し、「私がこれを使えるなら、誰でも使える」と冗談をいっていた。

レフマトゥッラー氏によれば、Altruのチーム全体がiCIMSに加わり、同氏はコンテンツ戦略担当の副社長になるという。彼らの目標は、Altruをスタンドアローン製品として運用し続ける一方で、iCIMSプラットフォームに統合する新しい方法を見つけることだ。

Altruは以前、Birchmere Ventures、Active Capital、Techstarsから合計130万ドル(約1億3500万円)の資金調達を行っている。

カテゴリー:HRテック
タグ:iCIMSAltru買収

画像クレジット:Altru

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。