音声によるライブチャットを利用したSNSであるClubhouseは新しい資金調達ラウンドを準備していることを確認した。ただし具体的な金額は明らかにされなかった。シリーズBラウンドをリードするのはAndreessen HorowitzでパートナーのAndrew Chen(アンドリュー・チャン)氏が担当する。この発表の直前にThe Informationが「Clubhouseは評価額10億ドル(1038億円)で資金調達中」という記事を公開していた。TechCrunchは今回のラウンドの評価額、調達予定額を確認しようとしている。それと別に我々は、Cubhouseがサブスクリプション、チップ、チケット販売などにより、クリエイターがプラットフォームで収入を得る機能を導入する計画を確認している。
シリーズBラウンドによる資金はこの「クリエイター助成プログラム(Creator Grant Program)」にも充てられる。Clubhouseブログによればのプログラム「プラットフォーム上で人気を得つつあるクリエーターをサポートする」ための仕組みだという。Clubhouseのモバイルアプリはセレブや政治家などをクリエイターとして引きつけることに驚異的な成果を挙げている。クリエーターが収入を得られるようにすることは現在のクリエーターの関心を持続化させると同時に、新たな関心を刺激してメンバーへの参加を促すのに役立つことは間違いない。YouTubeやTikTokでインフルエンサーのようになれるというのは魅力的な可能性だ。
もちろん、ユーザーの収益化と同時にClubhouse自身の収益化も追求されるはずだ。今のところ、このプラットフォームはすべてのユーザーに無料で提供されており、ユーザーに課金するプラン、方法はまだない。広告もサポートされていない。メンバーがクリエーターに支払いを行う方法が追加されれば、Clubhouse自身がその一部を手数料として保持する機会が得られるはずだ。
クリエイターのための収益化機能の開発スケジュールは、現時点ではまだ十分に厳密に決定されていないようだ。Clubhouseは3つの分野(チップ、チケット、サブスクリプション)について「この数カ月間 」に最初のテストを開始すると述べている。YouTubeなどのクリエーターに収益化の機会を提供するPatreonのような機能をClubhouseプラットフォームに組み込むことを考えているのかもしれない。この中で「チケット」は独特で、座談会形式のClubhouseイベントと相性の良いオプションだ。チケットの導入は バーチャルイベントを開催したい企業などがClubhouseを利用することを後押しする可能性がある。
同社のアプリは今のところiOS版のみだが、Android版の開発を開始し、ニーズの急増に対応できるようバックエンドのスケーリングにも投資する。人材の獲得、不正利用を検出し排除するためのツールの開発にも力を入れていくと発表した。Clubhouseは、過去に悪用の防止に関して失敗があったと批判されたことがあったので開発のこの側面には各方面の関心が集まるだろう。同社はまたユーザーグループ(アプリの用語では「クラブ」)を検索、表示する方法の改良も行う。
Clubhouseがホストしている公開のクラブ「タウンホール」でファウンダー、CEOのPaul Davison(ポール・デビッソン)氏は同社には週あたり200万人のアクティブユーザーがいることを明らかにした。また現在同社の投資家は180を超えるとと述べていることも注目だ。シリーズB段階のスタートアップにしては大きな数だが、その多くは小規模な独立投資家で投資も少額だろうと思われる。
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タグ:Clubhouse、SNS、資金調達
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(翻訳:滑川海彦@Facebook)