モバイルデバイス上のメールを、あらためてなんとかしよう、という試みがこのところ山ほどある。でも、優勝者決定どころか、出場選手登録が締め切られたわけでもないから、これからも続々現れたとしても不思議ではない。
ベテランの起業家で、自分の会社をAmazonやZyngaに売ったこともあるチームが、WeMailと名づけた新しいモバイルアプリでメールに挑戦した。
Y Combinatorの初期の育成事業に参加したこともある二人、Philip YuenとGerald Yuenは、今では成功している同窓生たちから100万ドルの資金をかき集めた。Twitchの協同ファウンダJustin KanとEmmett Shear、ParseとScribdの協同ファウンダTikhon Bernstam、FlurryのファウンダSean Byrnes、RedditとHipmunkの協同ファウンダSteve Huffman、と最近のスタートアップ世界の名士たちが顔を揃えている。
でも、なぜ、今さらメールを?
Philip Yuenによれば、このアプリには、携帯電話の上でメールを扱いやすくするための工夫がいくつかある。データドリブン型のデベロッパである彼らは、WeMailではメッセージを読むための画面スクロール量が従来より80%少ない、特定のメールを画面上に出すためのタップの回数は33%少ない、という。
“われわれは、アプリをダウンロード/インストールするたびに、ユーザが各アプリの操作方法などを勉強しなければならないなんてだめだ、と思う。うちのアプリは、誰にも、なんにも、教える必要がない。ユーザに、勉強を強制しない。誰でも、すぐに使いはじめることができる”、とPhilipは語る。
WeMailはすべての会話を送信者別にグループ化する。それによって受信トレイのサイズは従来品の1/3以下になる。メールの作成は音声でできる(TencentのWeChatふう)。どんなメールにも音声メッセージで返信できる(最大20秒まで)。メールというより、メッセージング的な機能だ。
彼らが工夫したサーバ上のインフラにより、メッセージを直接送れる。だから両サイドがWeMailのユーザなら、メールはふつうのeメールよりも速く、素早く送られる。相手が返信を書いていることが分かる機能もある(これはoffにできる)。これまた、メッセージング的な設計だ。
検索も効率的だ。検索の結果が出たとき、そのメッセージをいちいちクリックして呼び出す必要がない。メッセージ中の、検索語の使われ方を見ることもできる(下図)。
ユーザと誰かとのあいだで使ったアタッチメントはすべてグループ化されるので、ある人と交換したPDFや写真などが、いわば、ソーシャルなフォルダの中へ入れられて共有される。
Yuen兄弟たちは、一緒に仕事をした経験が長い。彼らはTextPayMeという会社を始めたが、それはAmazonに買収された。PhilipはAmazonでモバイルのeコマースプロダクトの開発を担当した。その後Philipは、シアトルのZyngaでプロダクト担当のディレクター、Geraldはデザイナーとして働いた。二人は一緒にZyngaを辞めてWeMailに取り組んだ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))