ロボット関連のおもしろい記事が少ない週もある。だが今週は明らかに豊作だった。実際、この7日間、ロボット関連の情報の洪水についていくのが少し大変だった。サンプル数は少ないものの、このカテゴリーへの投資意欲がまだ白熱していると雰囲気を伝えるものとして、受け取っておきたいと思う。
今週は、投資活動がロボットの全領域に及んだ週となった。外科手術、フルフィルメント、農業関連の企業が並んで出資を受け、食料品やフードデリバリーの分野では重要なパートナーシップが結ばれている。それに加えて、水中ヘビロボットもいる!興味深いものだらけだ。
まずは、このMemic(メミック)の大型だったシリーズDの紹介から始めよう。Memicは、医療用ロボット企業にとって大きな一歩となるFDA(米国食品医薬品局)の認可を取得した後、Peregrine VenturesとCerosが主導する9600万ドル(約104億5000万円)の資金調達を発表した。今回のラウンドは、同社のこれまでの資金調達額である3180万ドル(約34億6000万円)の3倍以上となる。そのHominis(ホミニス)プラットフォームは現在、経膣処置用にデザインされているが、同社は他の手術にも拡大することを検討している。
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それよりもずっと新しい企業のはるかに小規模なラウンドとして、Moray Media(モレイ・メディア)が、2021年初めに発表したものよりも300万ドル(約3億3000万円)多い570万ドル(約6億2000万円)の資金調達を発表した。同社が提供するCoral(コーラル)システムは、経カテーテルによる僧帽弁修復用にデザインされている。類似の多くのシステムと同様に、最終的な目標は、さまざまなスキルをもつ施術者による手術の有効性を高めることだ。
共同創業者でCEOのMark Barrish(マーク・バリッシュ)氏はこう語る。
私たちのCoralプラットフォームは、あらゆるスキルレベルのインターベンショニスト(低侵襲治療医)が、単に処置を行えるだけでなく、コストパフォーマンス高い方法で行えるようにデザインされています。これによって現在治療を受けられない何百万人もの患者の方が、必要な救命処置を受けられるようにすることを目標としているのです。
倉庫、フルフィルメントの分野では、MITのスタートアップPickle(ピックル)が今週ステルス状態から脱して、575万ドル(約6億2600万円)を調達したことをTechCrunchに伝えてきた。ダジャレ系の名前はさておき(他に「Dill(ディル)」というロボットもある)、同社の技術は1時間に1600個の箱をピックアップすることが可能で、同社はそれを「競合他社の2倍のスピード」だと主張している。
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シードラウンドであることからわかるように、まだほんの初期段階だ。しかし、同社にしてみれば、すべてがあっという間にまとまってきたようだ。6月にはピッキングシステムの予約受付を開始し、2022年初頭での出荷を予定している。
ピッキングシステムといえば、RightHand Robotics(ライトハンド・ロボティクス)が同社にとって第3世代となるロボットを発表した。この自律型システムは、従来のシステムよりも高速で、より幅広い対象をピックアップできるように設計されている。前者の高速動作は確かにハードルが高い。動作スピードは、以前から同社の特徴の1つだったが、今回の高速化は、部分的には、6倍の速度でデータを処理できる高速なGPUのおかげでもある。
サービスパートナーシップを通じて、ロボットがより多くの人々に関係できることに関する、今週の注目すべき2つの記事を紹介しよう。米国時間4月12日、ピザ大手のDomino’s(ドミノ)は、Nuro(ニューロ)との提携による、ロボットデリバリーの展開を発表した。ヒューストン在住の顧客は、同社のロボット「R2」によるピザの配達を受けることができる。ウッドランドハイツ店へピザを注文する際には、実際に「ボット」をリクエストすることができる。
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一方、スーパーマーケットチェーンのKroger(クローガー)は、Ocado(オカド)との契約がようやく締結され、シンシナティ郊外に巨大な倉庫を開設した。同社によると、37万5000平方フィート(約3万5000平方メートル)のスペースに、1000台のロボットと400人の人間の労働者を採用する予定だ。この倉庫は、同地域の約20の実店舗にサービスを提供する。
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買収の話題としては、インドア農業を手がけるAppHarvest(アップハーベスト)ががRoot AI(ルートAI)を買収する意向を表明した。AppHarvestは6000万ドル(約65億3000万円)で、ボストンを拠点とするロボット企業を買収する、その目的はRoot AIの持つ作物収穫技術中のデータ収集機能を手に入れることだ。
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AppHarvestの創業者でCEOのJonathan Webb(ジョナサン・ウェブ)氏は「異常気象、干ばつ、火災、動物による汚染など、食糧システムを不安定にする要因が増えているために、これまでの農業は崩壊しています。インドア農業は、そのような課題の多くを解決し、集められたデータは、作物の品質と収穫量の予測と管理に役立つ、より多くの洞察を大量に提供することができるのです」。
シアトルに本社を置くCarbon Robotics(カーボン・ロボティクス)は、今週、巨大な除草ロボットを発表した。同社のAutonomous Weeder(自動除草機)は、コンピュータビジョンとレーザーを使って、1時間に約10万本の雑草を取り除く。これは間違いなく「地味」な話題だが、除草剤を使わずに雑草を取り除きたいと考えている農家のにはうれしい話だろう。
研究の世界に目を向けると、CMUが長年使用してきたヘビ型ロボットに、またまた楽しい新たな用途を提案してきた。私がキャンパスを訪れるたびに、何か新しいものが作られているようだが、このプロジェクトの最新式水泳能力を実際に目にすることができなかったのは、少し残念だ。研究チームは、この技術を潜水艦や船の底のような、手の届きにくい水中での表面検査に応用することを考えている。
カテゴリー:ロボティクス
タグ:ロボット、資金調達
画像クレジット:CMU
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(文:Brian Heater、翻訳:sako)