企業のネットワークのマルウェアは、その大半がブラウザから来る。SpikesのCEO Branden Spikesは、ブラウザを仮想化し、リアルのデスクトップから分離して使えば、それらのほとんどを防げる、と考えている。その、WebKitを使っているブラウザは、オンプレミスまたはクラウド上の仮想化環境で動くが、外見はGoogleのChromeによく似ている(ただしURLバーがタブの上にある)。
以前はSpaceXやPayPalのCIOだったSpikesは、ユーザはこんなツールを待望していたのではないか、と語る。今のユーザはたしかに、リモートアプリケーションという概念には慣れている。しかし現状では、ブラウザをリモートデスクトップで使うことは、とくに対話性の濃厚なサイトの場合、快適な体験とは言えない。
Spikesのチームによると、同社はブラウザの使用感をネイティブのアプリケーションと変わらぬものにすることに、とくに力を入れている。そのためにSpikesはテキストをPNGにエンコードし、ビデオはH.264に切り替える。これによってレイテンシが最小になり、YouTubeのビデオだけでなくブラウザ上のゲームでも遅れを感じずにプレイできるという。
Spikesを使うためには、まずソフトウェアをダウンロードしてから自分のアカウントでサインインする。するとブラウザが自分のデスクトップで立ち上がる。ブックマークなどの個人化データは、当然恒久保存される。タブのコンテンツのメニューや、立ち上げ時に複数のタブを開くなど、これまでのブラウザにない機能もある(後者は今のブラウザでもできるが、機能として強調されていない)。そして、Spikesを使おうと決めた企業は、自社用のSpikesを心ゆくまでカスタマイズしてもらえる。
今はOS X用クライアントを準備中だが、そのあとはモバイルアプリをローンチする。“Windowsマシンだけでネットワークのセキュリティを確保することは不可能”、とSpikesは言う。
当面Spikesは企業顧客の開拓に力を入れるが、長期的には消費者分野への進出も考えている。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))