予告が出たのはこの9月だったが、任天堂ファンには待ち時間は何年にも感じられたはずだ。任天堂はスーパーマリオのスマートフォン版について詳細を明かすことを拒んでいたからだ。
この秘密主義が正当なものかどうかは別として、動機は理解できなくもない。任天堂は知的所有権の保護に関しては超積極的だし、独自のハードウェアを開発し、その機能を最大限に活かすようにゲームをカスタマイズしてき。つまり単に新しいプラットフォームに移植するだけということはなかった。
しかしマリオの生みの親、宮本茂氏がこの秋、大掛かりなAppleイベントでステージに立ったことで、任天堂が従来のコースを変更するだけでなく、ポケモンGOの驚くべき大成功を受けて、スマートフォン・ゲームに全面的に参入することが判明した。
実はSuper Mario Runは任天堂がインハウスで制作した2番目のスマートフォン・ゲームだ。しかし最初のタイトル、Miitomoは大ヒットというわけにはいかなかった。今日からiPhoneとiPadでダウンロードできるSuper Mario Runは、ははるかに強力だ。この横スクロール・ゲームの古典は何十年にもわたって膨大なファンを集め続けている。
任天堂は1週間ほど前にわれわれジャーナリストに短時間の実機テストも含めて若干の情報を公開した。ゲームとしてユニークな点は、すべてを片手で操作できるように構成されていることだ。このゲームは縦持ちモードでプレイできる。つまり シングルタップでマリオを動かすことができる。タップ操作のタイミングによってマリオのジャンプが変化し、障害物を巧みにかわせる。
このヒゲオヤジの最大の敵は、今のところ、10ドル〔日本版では1200円〕というアプリ内課金かもしれない。モバイル・ゲームとしてはかなり高額だ。ポケモンGOが無料だっただけに特にそういう印象を与える。もちろんゲームのダウンロードは無料で、プレイヤーは最初のいくつかのレベルをプレイできる。しかしそれ以上を望むなら料金を払う必要がある。
Super Mario Runは任天堂にとっても大きな賭けだろう。このゲームの成否によって今後任天堂におけるモバイル・ゲームが果たす役割の大きさが決まってくるはずだ。
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)