SpotifyやSkype、King、TrueCaller、Googleなどの元役員たちが創業したスウェーデンのPeltarionが今日(米国時間2/14)、シリーズAで2000万ドルを調達したことを発表した。このラウンドをリードしたEuclidean Capitalは、ヘッジファンドの億万長者James Simonsのファミリーオフィスだ。これまでの投資家FAMとEQT Venturesも参加し、このラウンドで同社の調達総額は3500万ドルになる。
もちろん、今の世の中、AIプラットホームに不足はない。そんな中でPeltarionは、“オペレーショナルAI”と同社が呼ぶものに特化している。そのサービスは、データの前処理からモデルの構築、それらのプロダクションへの導入など、企業がAIを利用する場合のあらゆる局面を支援するエンドツーエンドのプラットホームだ。このすべてがクラウドで動き、デベロッパーはグラフィカルなユーザーインタフェイスから自分のモデルの構築と試験を行なう。これに関しとくに同社が強調するのは、Peltarionのユーザーは低レベルのハードウェアやソフトウェアをいっさい扱う必要がなく、ひたすらモデルの構築にフォーカスできることだ。
PeltarionのCEOで協同ファウンダーのLuka Crnkovic-Friisは次のように説明する: “オペレーショナルプラットホームの上でAIシステムを構築しデプロイすると、そのスピードはTensorFlowなどの業界標準のツールを使った場合に比べて桁違いに速い。所要人員もはるかに少ないし、AIの高度な専門知識も要らない。それによって、これまでよりもずっと多くの企業がAIを運用でき、問題解決と変化の創成に集中できるようになる”。
しかし企業の選択肢がとても多い今の時代に、わざわざ無名に近いPeltarionを選ぶ理由はあるだろうか? Crnkovic-Friisはこう語る: “うちのクライアントのほぼ全員が、特定のクラウドプロバイダーへのロックインを心配している。ストレージやコンピューターを使うだけならどのプロバイダーも似たようなものだし、他のプロバイダーへの移行もできる。しかし彼らがとても心配しているのは、AWSやGCP、Azureなどのプロバイダーが提供しているさまざまな高レベルのサービスだ。それらが、完全なロックインを作り出す”。
もちろんPeltarionは、そのプラットホームがユーザーをロックインしない、と主張する。また、他のプラットホームは、個々の企業のオペレーションのヘルプではなく、自らの商用製品としてのAIサービスを作るためにAIの専門技術を大量に使っている、という。確かに同社の言うとおり、大手テクノロジー企業以外では、多くの企業がAIのスケーラビリティで苦戦している。“彼らはスターティングブロックの上で止まってしまう。二つの大きなバリヤがあるので、走り出せない: 未熟なパッチワーク的技術と、スキルの不足だ”、とCrnkovic-Friisは述べる。
同社は新たな資金を、開発チームの増員と、コミュニティやパートナーと協働できるチーム作りに向けていく。また、アメリカなどそのほかの市場における成長にも、充てていきたい、という。