使用済み電子製品を簡単に現金化できるBackflip

Mike Barile(マイク・バリレ)氏は、2年という時間と2万ドル(約220万円)ほどのカードローンで彼の最初のスタートアップBackflipを立ち上げた。

元経営コンサルタントの彼は、最初はUber、そしてAppAcademy(ここで共同創業者になるAdam Foosaner[アダム・フーザナー]氏と出会った)でコーディングアカデミーを受講した後、Google、そして失敗に終わった暗号資産(仮想通貨)のスタートアップとスタートアップの世界で何年も過ごしてきた。

暗号資産での経験で燃え尽きてしまったバリレ氏は、次の仕事を模索し、何とか捻出しようとしていたときにBackflipのアイデアを思いついた。オンラインで電子機器を販売することはまだいかがわしいもので、バリレ氏とフーザナー氏はもっと良い方法があるはずだと考えたのだ。

こうして2人はBackflipにたどり着いた。それは、顧客が使わなくなった電子製品を持ってくるとお金を払う。AndroidスマホでもXboxでもApple製品でもGame Boyでも何でもよい。

「次の方向を考えていた2019年の3月に、Chris(クリス)という子に会った。彼は、私の古いiPhoneを何台か買いたいと言った。彼はサンフランシスコ大学の学生で、副業として中古のデバイスを買い集め、それらを再生して自分で売ったり正規の再販業者に売ったりしていた。クリスの副業はかなり儲かり始めたので、彼は大学を中退した。『これだ!』と私は思った。彼はこれで大儲けをしているし、人の役に立つ良いこともしている」とバリレ氏は語る。

問題は安全性だった。「彼は現金を即金で払ってデバイスを集めていたし、そのために街中をドライブして回っていた。こういう再生再販業界にいる者は例外なく、銃を突きつけられて強盗に遭った経験が1度以上ある」。

Backflipはその問題を、バイヤーとセラーの仲介者になることで解決した。そして小額の仲介料を取った。

同社は最初の資金を2019年の終わりに調達したが、それまでのフーザナー氏とバリレ氏は、ローンと中古電子製品で生計を支えていた。

これまでBackflipは、ほぼ3000台のデバイスの売買を仲介した。デバイスをきれいにしたり、必要な修理をしたり、バイヤーを見つける仕事はすべてBackflipが行う。1台あたりの買い取り価格はほぼ150ドル(約1万6600円)で、同社のデータによると、これまでユーザーに払った総額は50万ドル(約5500万円)をやや超えている。

「最初のわずかなユーザーを獲得するために、ありとあらゆることをしました」とバリレ氏は語る。「Facebook MarketplaceとCraigslistに広告を出しました。2020年夏の終わりには、簡単なモバイルアプリで実験を始めました。そのころは、アダムと私の2人だけでした」という。

BackflipはUPSのストアと協力して、使用済みの電子製品をユーザーが直接持ち込み、店側が小包としてパッケージするセンターを提供する。長期的にはこれを、Amazon return(アマゾンの返品窓口)のようなものに育てたい、とバリレ氏はいう。もちろん、同社がユーザーにお金を払う。

現在、Backflipの在庫の約半分は中古のスマートフォンや、タブレットなどその他のモバイルデバイスだが、ありとあらゆる種類の電子製品を受け入れていることが世の中に広まれば、モバイルは在庫の3分の1ほどに減るだろう、とバリレ氏はいう。

フーザナー氏は声明で次のように述べている。「他の再販店と違い、Backflipはユーザーの時間と利便性を最優先する。来店の時間を予約する必要はないし、面倒な価格交渉もない。セラーのためにやるべきことはすべて私たちが行うし、迅速で公正な支払を確実に行う。ユーザーはデバイスをThe UPS Storeに持参するか、自分で箱に入れるだけで、他には何もしないでいい。後はすべて、Backflipがやります」。

実はバリレ氏にとって、再生業界は知らない世界ではない。母親が彼の子どものころから、彼のニュージャージーの牧歌的な故郷で「Stone Cottage Workshop」という商標で再生家具をeBayや地元の安売り店で転売していたのだ。

「私たちは、あなたのアパートからモノが消えていくためのAmazonになりたい」とバリレ氏はいう。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Backflip中古リサイクル

画像クレジット:Getty Images/Lya_Cattelのライセンス.

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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