Apple(アップル)が米上院議員Mike Lee(マイク・リー)氏と下院議員Ken Buck(ケン・バック)氏に送った書簡によると、同社は数カ月にわたって禁止措置となっているParler(パーラー)をApp Storeに復活させる。書簡は米国時間4月19日朝にバック氏のTwitterへの投稿で公になった。TechCrunchも書簡を入手し、そしてAppleに直接確認した。リー氏とバック氏は3月31日に、保守派の人のかなりのお気に入りであるParlerがなぜApp Storeから削除されたのか、追加の情報を求めてAppleに書簡を送っていた。Appleは返事で、Parlerがどのように規則を破ったかについて説明しているが、アプリの削除以来、Parlerのチームとかなりやり取りしてきたと述べた。Appleはまた、Parlerが提案したアプリへのアップデート、コンテンツ、モデレーションのプラクティスによってApp Storeへの復活がすぐに承認されることになるだろう、とも述べている。
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On March 31, @SenMikeLee and I sent a letter demanding answers about why Apple removed Parler from the App Store.
Today, we received a response: Parler will be reinstated on the App Store. Huge win for free speech. pic.twitter.com/FQBDSSSFGk
— Congressman Ken Buck (@RepKenBuck) April 19, 2021
米国会議事堂での暴動後、トランプ氏のサポーターや極右ユーザーが暴力を求め、議事堂乱入の計画を立てるのにいかにParlerが使われてきたかが明るみに出た後、AppleはParlerを禁止したプラットフォームの1つとなった。この暴動では5人が死亡し、警官140人超が負傷した。そして数百人が逮捕されることとなった。
Google(グーグル)とAmazon(アマゾン)も議事堂暴動後にすぐさま自社プラットフォームからParlerを排除した。
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Appleの場合、まずParlerにコンテンツモデレーション改善計画を提出しなければアプリが削除される、と通告した。しかしParlerの当時のCEOであるJohn Matze(ジョン・マッツェ)氏は自身のParlerアカウントにAppleの最後通牒には降参しないと投稿し、Appleの要件を満たさなかったParlerアプリは禁止となった。その数週間後にマッツェ氏は共和党後援者のRebekah Mercer(レベッカ・マーサー)氏が牛耳るParlerの役員会によってクビとなった。
Parlerはアプリが削除されて以来、App Storeへの再登場に向けて取り組んできた。しかし依然として基準を満たさなかった。例えばBloombergは2021年3月、Parlerが2月に提出した新たなガイドラインは、違反コンテンツに関する問題でApp Storeのルールに十分に沿うものではなかった、と報じた。2021年2月25日にParlerのポリシー担当最高責任者に送られた書簡には「悪意に満ちた、人種差別的、不公平なコンテンツはApp Storeでは一切受け入れられません」とあった。
2021年4月19日に出された同社の新たな書簡によると、状況は変わった。Appleは4月14日付でParlerが提案したモデレーションプラクティスが復活要件を満たしていると伝えた。Appleの北米政府業務担当のシニアディレクターTimothy Powderly(ティモシー・パウダリー)氏の署名が入った書簡には次のように書かれている。
AppleがParlerアプリをApp Storeから排除して以来、AppleのアプリレビューチームはParlerアプリをガイドラインに則ったものにしてApp Storeに復活させようと、Parlerとかなりのやり取りをしてきました。その結果、Parlerはアプリのアップデートとコンテンツモデレーションプラクティスを提案し、アプリレビューチームは4月14日付で同社が提案したアップデートされたアプリのApp Storeへの復活を承認すると伝えました。アップデートされたParlerアプリがリリースされ次第すぐに利用できるようになると見込んでいます。
書簡はまた、Parler削除という判断についてGoogleやAmazonと相談しなかったとも書いている。この言及は、削除は保守派を黙らせるためのテック企業間の組織的な対応だったという嘘の主張を沈静化させることを意図している。
AppleはParlerがどういった変更に同意したのか詳細は明らかにしなかったが、2021年初めにはアプリはまだかぎ十字や白人主義の画像をユーザープロフィールで使用することを許すなど、Appleのガイドラインに沿っていなかった。Parlerは女性増悪的、同性愛嫌悪的、そして人種差別的なユーザーネームや投稿を認めていたからだ、とBloombergは当時報じた。
CNNが4月19日朝に最初に報じたAppleの書簡は、提出されればParlerがすぐに承認されることを示している。
Appleはまた、Parlerの再ローンチのタイムフレームはParlerの判断次第だとTechCrunchに述べたが、追加のコメントはなかった。
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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi)