個人間でスキルや知識を売買できるサイト「ココナラ」が29日、1分100円の有料電話相談サービスを開始した。ココナラは似顔絵の作成や恋愛相談、SEOのアドバイスなど、個人のスキルや知識が一律500円で売買されている。2012年7月にスタートし、登録ユーザーは10万人、取引成立数は約13万件。有料電話相談は、ココナラの出品者が相談者の悩みに答えるものだ。
相談者は、ココナラのスマートフォンサイトから相手を選び、希望の時間を予約する。予約時間になるか、待機中の出品者がいれば即座に、出品者と相談者の双方が登録した電話番号にココナラのシステムから電話を転送する。お互いは電話番号を伝えずに通話でき、匿名でのやりとりも可能だ。料金は1分100円で、出品者が受け取る報酬は50%。双方の通話料は当面、ココナラが負担する。
電話相談の内容とはどんなものなのか? サービスを運営するココナラ代表取締役の南章行は、女性のプライベートな悩み、起業や転職、マーケティングなどのビジネス系の相談が中心になると予想する。相談者からすると、ネット上のやりとりと比べて、スピーディーに対応してもらったり、じっくり相談に乗ってもらえるのがメリットだという。
有料電話相談を使う動機は?
ところで、ネット上にはタダで相談に応えてくれるサービスは山ほどある。それこそ、TwitterやFacebookでつながる友人や知人に相談すれば無料。個人が特定されるのが嫌であれば、匿名でQ&Aサイトに投稿することもできる。あえて有料電話相談サービスを利用する動機は何なのか? この点について、南は次のように説明する。
「無料だと、答える側も相談する側も本気度がぐっと減ってしまう。有料になったとたんに、それは500円だろうと1万円だろうと、相談する側は本気の相談をしますし、お金をもらう以上、答える側も本気で回答します。1対1のクローズドの場で、有料サービスならではの本気のやり取りが満足度を生むと思っています。」
電話相談で費やされる時間はユーザーによって振れ幅がありそうだが、南は平均45分と見込んでいる。従来のスキル売買が1件あたりの500円だったことを考えると、電話相談の単価は9倍の4500円となるわけだ。ココナラはまず、既存ユーザーに電話相談の利用を促し、1年後には既存ユーザー経由の売り上げだけで月額800万円を目標に掲げる。さらに、広告経由で外部ユーザーも取り込んでいく。
類似サービスとして最も知られているのは、Googleが手がける専門家とのビデオチャット「Helpouts」だろう。検索してもわからないことを専門家に教えてもらえるというもので、Google+のHangoutsとGoogle Walletを融合させたサービスだ。日本ではオールアバウトが2014年3月、専門家が電話相談に応じる「navitell(ナビテル)」を開始している。