全自動の無料家計簿アプリ「Dr.Wallet」はレシートで収益化を図ろうとしている

レシートをスマートフォンで撮影してアップロードするだけで、専属オペレーターがデータ化し、自動で家計簿が付けられるアプリ「Dr.Wallet」を運営するBearTail。昨年12月に約1億円を調達したことは伝えたけれど、いよいよ収益化に向けて動き出そうとしている(関連記事:人力でレシートを読み取る家計簿アプリ「Dr.Wallet」運営元が1億円調達)。このたび消費財メーカーと協業し、対象商品のレシートをアップロードしたユーザーの中から抽選でAmazonギフト券が当たるキャンペーンを開始した。

Dr.Walletは、ユーザーからスマホで撮影したレシートを150人以上のオペレーターが手動で人力し、データ化してくれる家計簿アプリ。人力でデータ化しているだけに入力精度は99%を謳っている(関連記事:レシートを人間が読み取るクラウド家計簿「Dr.Wallet」がローンチ)。今回、森永製菓とコクヨ、カンロと提携し、各社の対象商品のレシートをアップロードした人の中から、20人に1人の割合でAmazonギフト券500円分が当たるキャンペーンを開始した。期間は1月24日から3月31日まで。

BearTailの黒崎賢一社長によれば、今回のキャンペーンは実証実験のような位置づけで、メーカーに課金することはないという。キャンペーン経由の購買率が良ければ、今後は成果報酬型(購買人数×報酬単価)でメーカーに課金するビジネスモデルを構築する。ゆくゆくは、A社の商品のレシートをアップロードしたユーザーに対して、競合メーカーであるB社のクーポンを配信する「ブランドスイッチ広告」も展開したいと話している。

BearTailは、KDDIが運営するインキュベーションプログラム「KDDI ∞ Labo」の第5期採択企業。BearTailの黒崎社長によれば、今回のキャンペーンを実現するにあたっては、KDDIのメンターに「各消費財メーカーで決済権のある担当者を紹介してもらったことが大きい」と感謝の意を表しているが、これはKDDIという大企業がインキュベーションプログラムを手がける1つの意義かもしれない。


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。