全身が鱗に覆われた絶滅危惧種の哺乳類・センザンコウの部位がFacebookで違法売買されている

国際法で保護されているにも関わらず、センザンコウ(鱗甲目センザンコウ科センザンコウ属)はいまも世界で最も違法売買の多い動物のひとつだ。そして、少なくともその取引きの一部は、Facebook上で堂々と行われている。

テック監視グループであるTech Transparency Projectの最新レポートに、複数のFacebookユーザーが違法取引されたセンザンコウ部位の売買に手を染めていることが詳細に書かれている。この行為は違法でありFacebook自身によっても禁止されている。

例えば「Pangolin Scales for Sale in Vietnam」(ベトナムでセンザンコウの鱗を販売中)と呼ばれるFacebookページでは、禁止されている動物製品の販売広告が掲載され、購入希望者に対してWhatsAppまたはメールで売り手にメッセージを送るよう伝えている。

別のFacebookの公開ページ「Rhino Horns And Pangolin scales For sale In China」(中国でサイの角とセンザンコウの鱗を販売中)は3月に作成され、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を受けて「これまで以上のご愛顧を」と顧客に促している。センザンコウの油を売るページもあった。ほとんどのサイトは表面上隠蔽されているが、センザンコウを表すベトナム語で検索したり、中には「panglins for sale」という英語のフレーズでも見つかることがある。

Facebookは自身の利用規約で、生きた動物の売買および「絶滅危惧種やその一部の取引を宣伝、推奨、斡旋する」行為すべてを禁止している。同社は2018年3月に野生生物取引反対連合に加盟したが、その後もサイチョウ(鶏冠がサイの角ような鳥)の部位から虎の歯までさまざまな違法売買が、Facebook上で広告や直販を通じて行われていると報告書に詳しく書かれている。

ここへ来てセンザンコウはパンデミックの起源を探す世界の科学者の間で再び注目を集めている。新型コロナウイルスを保有する野生動物がこの死に至る病を人間に感染させる可能性をもつことは、中国のコウモリ種と2002年のSARS流行の関係から信じられている。

ある最新の研究によると、一部のセンザンコウは新型コロナウイルスの原因に関連するウイルスを保有しているという。大部分の科学者は、新型コロナウイルスがコウモリに由来すると考えているが、どうやってウイルスがコウモリから人間に感染したかは、研究者が今も追究している謎の1つだ。

画像クレジット:Photo by ISAAC KASAMANI/AFP via Getty Images / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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