写真とボイスチャットを組み合わせた「話す写真」のメッセージアプリZebraが約1.2億円調達

Clubhouseからヒントを得て開発された音声ベースのソーシャルアプリ「Zebra」は、親しい友人や家族と連絡を取るための新しい方法となる。Zebraは、動画を使わずに、その場で写真を撮って、それに音声を付けて送ることができる。

Zebraは、非同期型の共有に重点を置いている、ユーザー同士がすでにアプリ上でつながっている場合は、お互いに電話をかけることもできる。つまり、友達に近況を伝えたいときに、Instagramの広告だらけで際限のないフィードに辟易することなく、楽しくカジュアルに連絡を取ることができるだ。

現在、Zebraはベルリン在住のプロダクトデザイナーであるCEOのDennis Gecaj(デニス・ゲカイ)氏と、Zebraのエンジニアリング責任者でありSnapchatでSnap Mapsを担当していたAmer Shahnawaz(アメル・シャナワズ)氏の2名によるものだ。今回のプレシード資金は、Redditの共同創業者であるAlexis Ohanianが2021年6月に発表したフレッシュなアーリーステージのベンチャー企業Seven Seven Sixが主導した。

Ohanianは「オーディオ革命の真っ只中にあることは周知の事実であり、オーディオファーストのソーシャルプラットフォームやコンテンツが次々と登場しています」と述べ、Zebraの写真と音声のユニークな融合に注目しているとしました。

ゲカイ氏は音声ベースのソーシャルネットワーキングは、テキストが主流のプラットフォームよりもはるかにリッチな選択肢だ。Instagramなどでは音声メッセージが可能で、技術的にはカメラを無効にして音声通話ができるが、通常、音声は動画の脇役になる。しかし、ビデオ通話はより負担が大きく、また画面の前から動くことができないという点もある。パンデミックが長引くにつれて多くのZoomカメラがオフラインになっていったのは偶然ではない。

ゲカイ氏が「大きなインスピレーション」と呼ぶClubhouseとは異なり、Zebraは身の回りの人たちのために作られたソーシャルオーディオです。GecajはTechCrunchの取材に対し「元通りの生活になっていく中で非同期型のフォーマットにはすばらしい可能性があると考えました」と述べている。

ゲカイ氏によれば、Zebraの「話す写真」により、集合的想像力が掻き立てられ、早期成長を自然な形で実現できる可能性があるとされている。また、Zebraをダウンロードすれば誰でも、連絡先リストを共有せずして友人を招待することができる(もちろん、誘う友人がいなければアプリの意味はないが)。Zebraのインターフェイスはクリーンかつわかりやすく、プロセスはスムーズで、メニュー画面を掘り下げていくような煩わしさもない。

Zebraのアイデア、つまりZebraをZebraたらしめることとは、自分たちが話していることを見るのは楽しいということだ。別のメッセージアプリを見てみると、写真を送ってそれからすぐにボイスメッセージを送る必要がある。しかしZebraなら、写真の送信がメインとなる。アプリは写真を撮りたいと思ったときにカメラにアクセスし、写真を撮って、それと一緒にちょっとしたボイスメッセージを録音し、これを友人や家族に送信することができる。

Zebraでは、別のアプリのダウンロードをユーザーに勧めることについての心配もありません。ゲカイ氏は、友人同士が連絡を取り合うために作られたソーシャルプラットフォームであっても、クリエイターやオーディエンスが徐々にソーシャルプラットフォームの注目を集めるようになれば、自然に分化が起こるとしている。

ゲカイ氏はTechCrunchの取材に対し「エンターテインメントを楽しむためのクリエイター向けプラットフォームと、友人と過ごすためのプラットフォームが分かれているのがトレンドだと思います」と述べています。

その上で、Zebraが焦点を当てている音声と写真の2つはプラットフォームが重視していないかまたは意識的に切り捨てているSNSの2つの側面であるとしており、このために、動画にそれほど興味がない人にとってZebraが魅力的なものになる可能性があるとしている。

「テキストメッセージには、声のような感情が感じられないのではないでしょうか。そして声は、これまでとても蔑ろにされてきたものでもあります。声は本当は情報量の多いリソースであり、他の媒体では語れないことを声にできることは、大いなる可能性を秘めているのです」とゲカイ氏はいう。

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Dragonfly)

投稿者:

TechCrunch Japan

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