凸版印刷は6月26日、次世代LPWA(低消費電力広域ネットワーク)規格ZETA(ゼタ)対応サーバーと、データ集積・閲覧可能なプラットフォーム「ZETADRIVE」(ゼタドライブ)の提供開始を発表。あわせて、その利用権と関連ハードウェア一式をセットにした「ZETAスターターパック」を明らかにした。7月1日より、月額3万8500円のサブスクリプションモデルで提供する。
ZETAは、超狭帯域(UNB: Ultra Narrow Band)による多チャンネル通信、メッシュネットワークによる広域・分散アクセス、双方向の低消費電力通信が可能な、LPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク規格のひとつ(ZiFiSense開発)。ZETAは、中継器を多段経由するマルチホップ形式の通信を行うことで基地局の設置を少なくでき、低コスト運用が可能となっている。
凸版印刷のZETADRIVEは、デバイス管理を行うクラウド上のZETAサーバーと、収集したセンサーデータの閲覧システムで構成。データの収集・管理から見える化までを一貫したサービスとして提供する。データ取得、機器制御などのAPIを用意しており、ユーザーのニーズに合わせたシステムやアプリケーションの連携が可能。また、アプリケーションのカスタム開発もサポートする。
また、凸版印刷が提供する暗号鍵・証明書のネットワーク配信や管理を行う「トッパンセキュアアクティベートサービス」とも連携予定。
ZETAスターターパックは、ZETA通信に必要な「アクセスポイント(基地局)」、「中継器(Mote)」「通信モジュール搭載評価ボード」、「Grove-高精度温度センサー」からなるハードウェアと、ZETAサーバーおよびZETADRIVE利用権などをスターターパックとしてまとめたもの。サーバー構築の負荷がなく、ネットワーク構築に必要なハードウェアの初期投資を抑え、通信評価や実証実験、およびZETA対応IoTデバイスの開発環境構築などがスピーディに行える。また別売のセンサーも順次用意する予定。
凸版印刷によると、スマートシティなどIoTの本格普及に向け、多数のセンサー端末からのデータ収集方法として、省電力性・広域性および低コストでネットワーク構築が可能なZETAが注目を集めているという。
しかし、LPWAやZETAを含めIoT活用のビジネスを始める際、サーバー構築における負荷やネットワーク構成機器への初期投資が必要なため、スピーディな展開を行いにくく課題となっていた。
凸版印刷は、サブスクリプションモデルのZETAスターターパックの提供により、ソフトとハード両面で初期費用や導入負荷を低減可能にするという。LPWAニーズが高い、スマートビルやオフィス管理、農水産業、社会インフラ、獣害・防災対策といった自治体向けのソリューションなどに展開し、2025年度までにZETA関連事業で約50億円の売上げを目指す。
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