ネットワーキングは嫌いだ。少なくとも、大量の名刺をポケットに詰め込んだヤル気満々の「ネットワーカー」が5秒ごとにやってくる、あの気まずいネットワーキングタイムは本当に苦痛だ。
ただ、これは一つのネットワーキングのタイプにすぎない。一般的に言えば、より広範で厚かましさの少ないネットワーキングは良いことであり、多くの人が仕事に就いている理由でもある。ネットワーキングの定義は「ビジネスや就職につながる良好な関係を築き上げること」だ。最高じゃないか。
人気のスワイプ式出会い系アプリ「Bumble」は、この定義をきちんと理解している。同アプリは、ユーザーが恋愛路線から一時的に方向転換し、キャリアアップにつながる出会いを探すことができる新たなサービス「BumbleBizz」を発表した。
この新サービスは、恋人を探すための普段のBumbleと、新しい友達を探すためのBumble BFFとそれほど変わらない。実際、Bumbleの共同設立者兼CEOのウィットニー・ウルフェは、BumbleBizzは「設立当初から掲げる、人生の大切な瞬間—、恋愛、友情、そして今はネットワークにおいて人々がつながるチャンスを提供する、という企業ビジョンの一部でした」と語っている。
BumbleBizzもまたスワイプ式で、ユーザーは所属業界や現在の仕事、学歴などを記入した(デート用のものとはまた別の)プロフェッショナル・プロフィールを作成する。同社はそれらのデータと地域情報を組み合わせ、アルゴリズムを使ってお互いのキャリアにプラスになるようなユーザー同士をマッチングする。
アルゴリズムは性別を考慮はしない(つまり異性か同性同士の2人がマッチングする)。マッチング後の会話は女性の方から始めなければいけないというBumble特有のルールは引き継がれるそうだ。
果たして人々はLinkedInの代わりにBumbleを使い始めるのだろうか?そしてこの出会い系アプリは仕事の場合でも人々をうまくマッチングすることができるのだろうか?答えが出るのはまだ先だろう。Bumbleがサービス提供を開始するのは今年秋以降だという。
確かに、プロフェッショナル・ネットワーキングを通じて訪れる、人生の転機となるような出会いはほんの数回しかない(それがネット上でも、現実での出会いでも)。しかし、あなたの憧れの職業に就いている人や未来の共同ファウンダーとなる人とのミーティングであるなら、たった数回の出会いでもあなたの人生を大きく変えるだろう。
だから例えBumbleBizzで得た100件のマッチングのうちたった一つしか実らなかったとしても、その結果は決して悪くはない。それに、今や多くの人々がプロフェッショナル・ネットワーキング業界に対して疑問を抱いている。失敗したところでBumbleが失うものは何もないだろう。
BumbleBizzが開始すれば、この出会い系アプリはわずか1年半で恋愛、友情、そしてこれからは仕事やビジネス上の関係を見つけるプラットフォームとなり、550万を超えるユーザー数を確保したこととなる。それに対してTinderは、Bumbleよりもはるかに多いユーザーベースを確保していながら、未だにデートアプリとしてしか機能していない。Bumbleは人々の生活のプラットフォームとなることで、ユーザー層の拡大(Bumbleで探すのは恋愛に限定されないのだから)、そしてより多くの人に頻繁にアプリを利用してもらうことを望んでいる。
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(翻訳: Tomoya Mori)