分散データベースNomsを抱えるAttic LabsをSalesforceが買収、Quipとの統合を目指す

オープンソースの分散データベースNomsを作っているAttic Labsが今日(米国時間1/8)、Salesforceに買収されたことを発表した。これはSalesforceの2018年初の買収だが、その契約条件は公表されていない。Crunchbaseによると、昨年の同社の買収はデジタルクリエイティブエージェンシーSequence一社のみで、10社あまりを買収した2016年に比べ、一休みという形になった。

Nomsがローンチしたのは2016年の8月で、そのとき同時にAttic Labsは、Greylockが率いるシリーズAで810万ドルを調達した。ファウンダーのAaron BoodmanとRafael Weinsteinをはじめ、Attic Labsのチームのメンバーの多くが、それまでGoogle Chromeを手がけていた。Boodmanは、Greasemonkeyの作者でもある。

Gitと同じように、Nomsでもユーザーは複数のマシンのオフライン上でデータを複製し、それをシンクしたり編集できる。バージョニングの機能があるので、編集してもデータの前のバージョンは壊れないから、必要なら復活できる。Gitと違うのは、Nomsはテキストファイルよりも定型データの保存に適していて、とても大きなデータ集合もサポートする。Attic Labsは今日の発表声明の中で、Nomsは今後もオープンソースであり続ける、と言っている。NomsのフォーラムでBoodmanは、そのデータベースに対して、“今すぐやらなければならないことはない”、と述べている。

買収が完了したらAttic Labsのチームは、Salesforceが2016年に7億5000万ドルで買収したドキュメントコラボレーションプラットホーム〔“コラボレーション型ワープロ”〕Quipに加わる。Attic Labsによると、Nomsの技術が“Quipの能力を拡張して、ライブのデータソースに接続できるようにし、人びとが容易に迅速で効果的なコラボレーションをできるようになる”、という。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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