データストレージのCloudianがエッジデータ分析特化の新事業を日本で立ち上げ

企業の大量のデータを保存して管理するサービスCloudian(クラウディアン)は米国時間9月17日、大きなデータセットのエッジ分析にフォーカスする新たな事業部門であるEdgematrix(エッジマトリックス)のローンチを発表した。EdgematrixはCloudianが株式の多くを持つ子会社で、最初はEdgematrixの本社が置かれた日本でサービスを開始する(Coudianの本拠地はカリフォルニア州サンマテオ)。

同社は900万ドルのシリーズAを、NTTドコモ、清水建設、日本郵政キャピタルなどの戦略的投資家およびCloudianの共同創業者でCEOのMichael Tso(マイケル・ツォ)氏と取締役のJonathan Epstein(ジョナサン・エプスタイン)氏らから調達した。資金は製品開発とそのデプロイメント、および営業マーケティングに充当される。

Cloudian自身は、昨年の9400万ドルのシリーズEを含めて計1億7400万ドルを調達している。同社の製品は、企業が数百TBものデータをオンプレミスで保存できるHyperstoreプラットホームおよび、データ分析や機械学習のソフトウェアなどだ。Edgematrixも大規模なデータセットの保存にはHyperstoreを利用し、独自のAIソフトウェアとハードウェアによりネットワークの「エッジ」におけるデータ処理を行う。エッジは、センサーのようなIoTデバイスからのデータが実際に集まる場所に近い。

同社のソリューションは、リアルタイム分析が必要な状況に向いている。たとえば、高速道路上の車のメーカーや車種や年式などを検出して、ドライバーに向けて表示される広告の最適なターゲティングがリアルタイムでできるだろう。

ツォ氏によると、Edgematrixが生まれたのは、Cloudianの共同創業者で社長の太田洋氏と彼のチームが、顧客のデータの処理や分析をより効率化する技術の研究開発に取り組んだ経験からだ。

ツォ氏は「最近では、IoTのデータをはじめとして、ますます多くのデータがエッジで作られ、しかもリアルタイムのデータ分析や意思決定をエッジの近くで行いたいというニーズが拡大している。データをどこかへ運んでからでは、通信費用やレイテンシーがどうしても発生する。最初はCloudianのチームが小さなAIソフトウェアによるソリューションを開発して成功し、同社のトップレベルの顧客たちの注目を集めた。そこでわれわれは、その成功を核として戦略的投資家たちによる子会社を作るのがベストだ、と決断した」と語る。

Edgematrixを日本で立ち上げるのは、AIシステムへの支出が今後どこよりも大きく伸びると期待されるからだ。IDCによると、その予想成長率は2018年から2023年までの5年間で45.3%にもなる。

ツォ氏は「日本はAI技術のアーリーアダプターとしてトップを走ってきた。政府と民間部門の両方が、AIを生産性向上に欠かせないと見ている。Edgematrixは、少なくとも次の1年間は日本市場に注力し、結果が良好なら北米とヨーロッパに拡張したい」とコメントした。

画像クレジット: Hiroshi Watanabe/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

分散データベースNomsを抱えるAttic LabsをSalesforceが買収、Quipとの統合を目指す

オープンソースの分散データベースNomsを作っているAttic Labsが今日(米国時間1/8)、Salesforceに買収されたことを発表した。これはSalesforceの2018年初の買収だが、その契約条件は公表されていない。Crunchbaseによると、昨年の同社の買収はデジタルクリエイティブエージェンシーSequence一社のみで、10社あまりを買収した2016年に比べ、一休みという形になった。

Nomsがローンチしたのは2016年の8月で、そのとき同時にAttic Labsは、Greylockが率いるシリーズAで810万ドルを調達した。ファウンダーのAaron BoodmanとRafael Weinsteinをはじめ、Attic Labsのチームのメンバーの多くが、それまでGoogle Chromeを手がけていた。Boodmanは、Greasemonkeyの作者でもある。

Gitと同じように、Nomsでもユーザーは複数のマシンのオフライン上でデータを複製し、それをシンクしたり編集できる。バージョニングの機能があるので、編集してもデータの前のバージョンは壊れないから、必要なら復活できる。Gitと違うのは、Nomsはテキストファイルよりも定型データの保存に適していて、とても大きなデータ集合もサポートする。Attic Labsは今日の発表声明の中で、Nomsは今後もオープンソースであり続ける、と言っている。NomsのフォーラムでBoodmanは、そのデータベースに対して、“今すぐやらなければならないことはない”、と述べている。

買収が完了したらAttic Labsのチームは、Salesforceが2016年に7億5000万ドルで買収したドキュメントコラボレーションプラットホーム〔“コラボレーション型ワープロ”〕Quipに加わる。Attic Labsによると、Nomsの技術が“Quipの能力を拡張して、ライブのデータソースに接続できるようにし、人びとが容易に迅速で効果的なコラボレーションをできるようになる”、という。

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Facebook、圧縮アルゴリズムのZstandardとストレージエンジンのMyRocksをオープンソース化

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今日(米国時間8/31)Facebookは、圧縮アルゴリズムのZstandardをオープンソース化する。時代遅れとなったDeflate圧縮アルゴリズムを使用しているzlibライブラリーを置き換えることが、このロスレス技術の目的だ。さらにFacebookは、zStandardに加え、ストレージエンジンのMyRocksもオープンソース化する。MyRocksは、Facebook社内でMySQLデータベースのストレージ効率を高めるために使われている。

いずれも、カリフォルニア州サンノゼで行われたFacebookの@Scaleカンファレンスで発表された。このカンファレンスは、大規模な技術的課題を抱えるエンジニアたちを集め、オープンソース技術の発展に力を入れている業界各社と共に解決するのを支援することを目的としている。ZstandardやMyRocksを使うと、デベロッパーは大規模で多様なユーザー基盤に効率よくスケーリングできるプラットフォームを作ることができる。

重要なインフラストラクチャーの更新や置き換えを考えているエンジニアにとって、最大の恐怖は新しいライブラリーがシステム全体をダウンさせてしまうことだ。Facebookのインフラストラクチャー技術担当VP、Jay Parikhは、ZstandardもMyRocksも、デベロッパーに公開する前にFacebookで全社規模でテストされていることを誇らしげに語った。

「ここにいる全員が両製品を使っている」とParikhは言った。

Zstandardをテストした6ヵ月間に、Facebookはすばらしい結果を残した。zlibと同じ圧縮比ならZstandardの方が5倍も速かった。圧縮時間が同じなら、ファイルサイズは10%小さかった。

MyRocksもまた、ストレージ効率を著しく改善した。InnoDBとの比較で、MyRocksは同じ量のデータを半分のサーバースペースに保存することかできた。

「オープンソースにすることは、コミュニティー全体の利益になる。単独の企業が所有しているよりも、オープンソースにした方が早く普及する」とParikhは話した。

Facebookは、同社のオープンソースソリューションが新たな業界標準になることを期待している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

“部屋を片付けられない病”ならぬ“データを片付けられない病”になりつつある現代企業を救うKomprise…ストレージとデータ管理のスケーリングを自動化/効率化

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大量のデータを保存することには、費用が伴う。正しい情報管理の方法を実践していない企業では、その費用も大きい。しかしここでご紹介するKompriseは、企業が抱えるビッグデータをすっきりと分かりやすく整理して、余計なストレージ費用が発生しないようにする。

サンフランシスコ生まれのKompriseは今ベータを準備中で、最近600万ドルのシリーズAをCanaan Partnersから調達したばかりだ。その同社のサービスとは、データの保存と組織化と分析を、オンプレミスのサーバやクラウドにおいて、高い費用効率で自動化することだ。新たな資金は、陣容の増員に充てられる。〔Kompise→comprise→すべての部分要素から全体を構成すること。〕

同社のファウンダはCEOがKumar Goswami、COOがKrishna Subramanian、そしてCTOがMichael Peercyだが、彼らにとってKompriseは三つめのスタートアップだ。その前の仮想デスクトップサービスKavizaは2011年にCitrixに買収された

Subramanianは曰く、“前の二つのビジネスは、データに関して企業が抱える別の問題に焦点を当てていた。最初のスタートアップは営業のためのファイル共有アプリケーションだったし、その次のは、仮想デスクトップで高価なSAN(storage area network)を使わずに済ませるサービスだった”。

“それらを通じて顧客から学んだのは、データに関して今日の彼らが抱える最大の問題が、日々のデータの増加量が、かつてなかったほどにすさまじく多いことだ”。

そのため今では、企業の年間のIT予算の1/4が、ストレージとデータ管理に充てられている。しかも、それらのデータの多くが、各担当部署で蛸壺(たこつぼ)入りしているだけで、まったく活用されていない。…Kompriseのファウンダたちは、そんな状況を至るところで見た。

そこでKompriseが考えたのが、オンプレミスのサーバの容量をクラウド上のストレージで拡張する、というソリューションだ。それによってかえって、必要なデータへのアクセスやデータの管理が容易になる、と彼らは展望した。

CTOのPeercyによると、“Kompriseを使えば企業は最大で70%のコスト削減を図り、しかも効率をアップできる。またDevOpsチームのある企業では、新しいアプリケーションをクラウドで動かしたいが必要なデータはオンプレミスにある、という状況を改善できる。Kompriseのサービスにより、データの保存と管理が自動化そして効率化され、つねに必要なところにデータがあるという状態を実現できる”、ということだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa