KUFUは3月3日、労務管理担当者向けのクラウドサービス「SmartHR」上でオンライン申請機能を追加した。
この機能は総務省が提供する電子政府の外部連携API(eGov API)を利用して、SmartHRユーザーが年金事務所やハローワークでの社会保険・雇用保険に関するウェブ申請を実現するというものだ。
eGov自体は2008年から提供されているもの。2010年には一括申請機能、2014年には外部連携APIの仕様公開、2015年にはAPIの運用が開始されたが、現状の利用率はわずか4.2%。他の領域での電子申請では、例えば国税申告(確定申告など)が52.7%、登記が57.8%まで拡大しているのにも関わらず、だ。
KUFU代表取締役の宮田昇始氏はこの理由について、「電子証明書」の存在があると説明する。電子証明書とは、eGovを利用する際の本人を識別・証明するためのデータ。この証明書の取得には、認証局との契約や証明書の取り込みといった作業と、2年で約1万5000円ほどのコストがかかる。しかもこれは1社ごとに取得が必要なのだという。「150社ヒアリングしても、証明書を取得しているのは1、2社だった」(宮田氏)
これに対して SmartHRでは、同社の外部アドバイザーである社会保険労務士法人スマートエイチアールによる代行申請を行うことで、企業各社の負担を下げていると説明する。申請はSmartHRのサービス上で、3ステップで実行可能だ。
新機能はSmartHRの有料ユーザーであれば無料(追加料金なし)で利用できる。「実際に年金事務所やハローワークに行くと、待ち時間も含めて半日、1日仕事だった。それがオンラインで実現できる」(宮田氏)