動画配信サービスTwitchがプラットフォーム外でのユーザーの悪質な行為にルール適用へ

Twitch(ツイッチ)はストリーマーをより高い水準に保つための行動に出る。同社はルールを破る行為、結果としてTwitchの使用禁止となるかもしれない悪態の種類を詳細に明示してヘイトとハラスメントに関する規約を拡大した。

同社がプラットフォーム上、そして社内での虐待行為やセクハラの報道に引き続き取り組んでいる中での今回のニュースだ。2020年12月にTwitchは女性や有色人種、LGBTQ+のコミュニティがプラットフォーム上の「不釣り合いな」量の悪意ある行為の影響を受けてきたこと認めた上で、ハラスメントや虐待にこれまで以上に真剣に取り組むためのアップデートしたルールを発表した

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Twitchのポリシーは現在、安全上の脅威をもたらし得る重大な犯罪を含めている。そうした犯罪が完全にTwitch外で起こったとしてもだ。脅威には暴力的な過激主義、テロ、集団暴行の脅し、性的暴行、ヘイトグループとのつながりが含まれる。

同社はまたTwitchで起こったものが、たとえばTwitterやFacebookでのハラスメントにつながるような場合、プラットフォーム外の行動も引き続き審査する。

「この規約は新しいものですが、当社はこれまでもTwitch外で起こった重大で、明らかな不正行為に対し行動をとってきました。しかし今まで、拡大したアプローチは持っていませんでした」と同社はブログ投稿で述べている。そしてプラットフォーム外での行動の調査は、こうしたケースにともなう複雑さを解決するための追加のリソースを要すると付け加えた。

規約拡大によるレポートに対処するため、Twitchは専用の電子メールアドレス(OSIT@twitch.tv)を作り、Twitch外での行動についてのレポートに対応する。同社は受け取ったレポートを精査するためにサードパーティーの調査法律事務所と提携したと話す。

Twitchはプラットフォーム外の行動がルール適用につながった最も著名な人の例としてDonald Trump(ドナルド・トランプ)前大統領に対して取った行動を挙げた。Twitchは米議事堂襲撃を受けてトランプ前大統領のアカウントを使用不可とし、後に前大統領が暴力を扇動するためにTwitchを使っていた恐れがあるとして無期限の使用停止とした。

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大統領以上に有名な人物を探すのは難しい。しかしトランプ前大統領はTwitchユーザーの中で使用禁止になった唯一の有名人ではない。2020年6月、Twitchは決定の理由を説明することなくTwitchで最も有名なストリーマーの1人を追放した

それから1年後、なぜDr. DisrespectがTwitchから追放されたのか誰も知らないようだ。しかし同社の「証拠の優越」をともなうケースだったとの主張は、Dr. Disrespectの違反が重大で十分に裏づけられていたことをうかがわせる。

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画像クレジット:MARTIN BUREAU / Contributor / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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