印大手ソフトウェア企業Wiproが英国の技術コンサルタント会社Capcoを約1576億円で買収すると発表

Wipro(ウィプロ)は、英国の技術コンサルタント会社Capco(カプコ)を、14億5000万ドル(約1576億円)で買収することで合意に達したと、現地時間3月4日に発表した。このインドの大手ソフトウェア輸出会社は、欧州とアジアで顧客を獲得しようとしている。

Wiproは米国を最大の市場としているが、この2社は「補完的なビジネスモデル」を共有すると述べている。買収は2021年6月末までに完了する予定だという。

ロンドンに本社を置くCapcoの顧客には、グローバルな金融サービス業界における「多くの有名企業」が名を連ねており、その中には銀行、資本市場、資産管理、保険部門の「取締役会や経営役員」が含まれていると、Wiproはインドの証券取引所に提出した書面(PDF)で述べている。

1998年に創設されたCapcoは、約5000人のコンサルタントを雇用し、20年前に投資家から約8000万ドル(約87億円)を調達した。同社は「その深い領域とコンサルティングの専門知識、リスクと規制への対応、そして業界の主要なテクノロジーの課題と機会に関する思想的リーダーシップで広く認知されています。加えて、エネルギーおよび商品取引分野の顧客にサービスを提供しています」と、両社は共同プレスリリースで述べている。

Wiproの証券取引所提出資料のスライド(画像クレジット:Wipro)

「WiproとCapcoは、最上級のコンサルティングとテクノロジーの変革、そしてオペレーションをお客様に提供することができます。WiproとCapcoは補完的なビジネスモデルと、核となる指導的価値観を共有しており、Capcoの新しい仲間たちは、誇りを持ってWiproをホームと呼んでくれると確信しています」と、2020年Wiproのトップに就任したCEO兼マネージングディレクターのThierry Delaporte(ティエリー・デラポート)氏は述べている。

デラポート氏の前任としてWiproを4年間率いてきたAbidali Neemuchwala(アビダリ・ニームフワラ)氏は、2020年までに150億ドル(約1兆6300億円)の企業になるという同社の目標を達成できなかった。2020年3月末の同社の収益は81億ドル(8800億円)だった。

新たなリーダーシップの下、Wiproは欧州とアジアでの顧客獲得を加速させている。同社は2020年、欧州のクリーンエネルギー企業であるFortum(フォータム)やE.On(エーオン)からの受注を獲得した。Wiproは企業買収も視野に入れていると公言してきた。

「私たちはともに、今後さらに規模が拡大する革新的なテクノロジーを駆使して、変換をもたらすエンドツーエンドのソリューションを顧客ごとに提供し、金融サービス業界をリードする新たなパートナーとなることを目指しています。両社の補完的な能力と類似した文化を活用して業界の変革を推進し、顧客と社員の双方にエキサイティングな機会を提供できることを楽しみにしています」と、CapcoのCEOであるLance Levy (ランス・レヴィ)氏は声明の中で述べている。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Wipro買収インド

画像クレジット:Thierry Falise / LightRocket / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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