不動産エージェントマッチングサービスのTERASSがシリーズAで2.2億円を調達

不動産相談ができるTerass Agent、ならびにプロの不動産エージェントとのマッチングサービスAgentlyを展開するTERASSは、グロービス・キャピタル・パートナーズをリード投資家とし、三菱UFJキャピタルおよび既存株主であるインキュベイトファンドの計3社より新たに計2億2000万円の資⾦調達を実施した。累計資⾦調達額は3億2000万円となる。

TERASSは、不動産市場の中でも拡大が見込まれる中古物件の流通市場をターゲットとしている。欧米にはプロの不動産エージェントが独立して活躍する文化が存在するが、日本では、サラリーマンとしてノルマを課せられながら一定給与下で働くケースが多い。同社は米国の不動産エージェントマッチングサービスexpREALTYをベンチマークしており、日本においても不動産業界での個のエンパワーメントを目指すという。

TERASSは業務委託として所属する不動産エージェントたちに対して成果報酬制度を導入しており、手数料売上の75%が還元される。フルリモート、フルフレックスで副業も可能と、イマドキの働き方も実現できる。経験豊富な元不動産出身者の他、経営コンサルタントやパーソナルトレーナーを営む一方でパラレルキャリアワーカーとして活躍し、クライアントの多様な要望に応えるエージェントもいる。

代表の江口亮介氏はSUUMOを提供するリクルート住まいカンパニー出身。「いい家探しはいいエージェントから。社会全体としても個人が活躍する時代になっていっている中、不動産業界でもエージェントが個人として活躍しやすい環境を作りたいと考えた」と江口氏は語る。同じくSUUMO出身の広報・鈴木氏も「不動産購入は人生の中でも大きな買い物。同じ手数料を払うのならば、偶然アサインされる人とではなく、自分と合う人と一緒に物件を選んで欲しい」と語った。

TERASSは純粋な無店舗運営とは異なり、エージェントが手間になりがちな契約書のやりとり、行政への届け出、住宅ローン手続きなどを簡素化するツール提供している点や、広告型であるため物件の写真撮影を不要にしている点など、エージェントの作業を極力なくしているところが特徴。今回の調達ではこのツールの強化により、エージェントがより顧客に向き合う時間を作ることを目指す。エージェントは現在35名程度だが、3年後には500名超を目指す(業界最大規模の企業で、2000名所属と言われている)。

登録されたエージェントと不動産を探すエンドユーザーは、Agentlyというマッチングアプリで、無料でコミュニケーションをとることができる。希望条件を入力すると複数のエージェントから物件の提案が届き、気に入ったエージェントと匿名チャットでやりとりを進められる。また、不要な物件情報の営業がこないのも忙しい人にはメリット。今後はエージェントのレーティングを強化し、マッチング精度も上げていく。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:TERASS資金調達不動産日本

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。