印Reliance Retailがローカル検索Just Dialの支配的な持ち分を約516億円で取得

Reliance Retail(リライアンス・リテール)は現地時間7月16日、25年の歴史を持つインドのサーチ・ディスカバリー企業であるJust Dial(ジャストダイヤル)の支配的な持ち分を4億6900万ドル(約516億円)で取得したと発表した。

市場をリードするインドの大手小売企業は、上場企業であるJust Dialの41%の株式を4億6900万ドル(約516億円)で取得したこと、後に追加で26%の株式を取得するためのオープンオファーを行うことを発表した。両社は共同プレスリリースで、Just Dialの創業者で最高経営責任者のVSS Mani(VSSマニ)氏が引き続き同社でリーダーシップを発揮すると発表している。

Just Dialは、ウェブサイト、モバイルアプリ、電話回線を通じて、ローカル検索とeコマースサービスを提供している。インドのユーザーは、「8888888888」をダイヤルするだけで、地元の配管工やホテルの詳細、ハウスキーピングサービスなどについて照会することができる。

創業10年になる同社は上場前にTiger Global、Elevation Capital、Sequoia Capital India、Sapphire Ventures、Nalanda Capitalから約1億200万ドル(約112億円)の資金を調達した。同社は膨大なデータベースを構築しており、その検索結果は、Google(グーグル)などの検索エンジンの上位に表示されるほど有用で適切な情報を提供している。

ユーザーは無料で利用できる。Just Dialは企業や個人のサービスプロバイダーに掲載料を請求する。

Just Dialのウェブサイトのスクリーンショット

「約25年前、私たちは、ユーザーに迅速かつ無料で信頼性の高い包括的な情報を提供し、買い手と売り手を結びつけることに特化した、つながりのある単一のプラットフォームを構築するというビジョンを持っていました」とマニ氏は話した。

「私たちのビジョンは、サーチやディスカバリーを提供するだけでなく、B2Bプラットフォームを通じて商人間の取引を促進し、さらにプラットフォームエンゲージメントによって消費者と商人との間の商取引を可能にすることへと発展しました。Relianceとの戦略的提携により、このビジョンを実現し、今後のビジネスを変革することができます」と語った。

Just Dialの買収は、Reliance Industriesグループが直近四半期に実行した数多くの買収の1つだ。グループには、子会社として通信大手のJio PlatformsやReliance Retailが含まれ、2社は2020年、Facebook(フェイスブック)やGoogleなどの著名な投資家から合計で270億ドル(約2兆9700億円)以上を調達した。

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Relianceは8月、医薬品マーケットプレイスのNetmedsの親会社であるVitalicの株式の60%を約8320万ドル(約92億円)で取得した。また、11月にはオンライン家具のUrban Ladderを2440万ドル(約27億円)で買収した。

加えてReliance Retailは2020年、Future Groupと34億ドル(約3580億円)の契約を締結し、インド第2位の小売チェーンの事業をいくつか買収した。この取引はまだ成立しておらず、米国のeコマース大手Amazon(アマゾン)との訴訟の中心となっている

Reliance RetailのディレクターであるIsha Ambani(イシャ・アンバニ)氏は声明で「Relianceは、ビジネスの洞察力と忍耐力によって強力なビジネスを作り上げたJust Dialと第1世代の起業家であるVSSマニ氏と提携することに興奮しています」と述べた。

「Just Dialへの投資は、当社のパートナーである何百万もの加盟店や零細・中小企業のデジタル・エコシステムをさらに強化し、ニューコマースに対する当社のコミットメントを明確にするものです。今後の事業拡大に向けて、Just Dialの経験豊富な経営陣と協力していくことを楽しみにしています」。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Reliance Retailインド

画像クレジット:Sanjit Das / Bloomberg / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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