Spotifyなどの音楽ストリーミングサービスからアーチストはどうやって収入を得るのか、今の状況を改善するために彼らには何ができるのか、という疑問が依然として渦巻いている中で今日(米国時間7/19)Nielsenが発表した数字は、音楽の売上が下降する中でストリーミングが伸びていることを実証している。2013年の前半では、音楽ストリーミングは24%伸びて提供総数が510億ストリームだったが、アルバムや曲は同期間に前年比4.6%減少し、2億1000万ユニットとなった。しかも、ストリーミングでHarlem Shakeが大差でトップであることは、ビデオの役割が大きいことを物語っている。Baauerのこのトラックはヴァイラルな無料ビデオの広がりを生み、だれもかれも、彼らのお母さんたちもが、自分のバージョンをYouTubeに投稿し、ミームを肥大させた。
6月30日までの6か月で、Harlem Shakeは4億3800万回ストリーミングされ、次位のThrift Shop(Macklemore and Ryan Lewis)の1億8700万を大きく引き離した。総数510億の中で上位がせいぜい億のオーダーだから、これらの数字は音楽ストリーミングがきわめてロングテールであることも示している。
音楽と消費者のマインドシェアがストリーミングへと傾く中で、デジタル音楽も健闘し、それとは対照的にCDの売上は落ち込んでいる。CDの売上は14.2%ダウンして7820万ユニットだったが、デジタル(MP3ダウンロードなど)の売上は6.3%伸びて6080万ユニットとなった。これらの半期レポートを制作提供しているNielsen SoundScanとNielsen BDSによれば、今ではアルバムの全売上の43%がデジタルアルバムである…前年同期では38%だった。ただし2012年の後半に関しては、デジタルのシェアが56%と大きかった。
ストリーミングの影響をいちばん大きく受けているのは、シングルのデジタルダウンロードだろう。Appleのようなダウンロード主体だった企業がこのところストリーミングに傾斜しているのも、そのためだ。シングルのダウンロードは2.3%減少して6億8200万だった(同期間にストリーミングは510億だったことをお忘れなく)。
“2013年前半は売上全体がやや減少したが、その中でデジタルアルバムの売上が伸びたことは同分野の堅調ぶりを物語っている”、Nielsen EntertainmentのSVP David Bakulaがこう書いている。しかし物理メディアの中にも、伸びているものが一つある…それはレコードだ。現時点ではニッチな珍品扱いだが、レコードではアルバムが290万売れて、前年同期比33.5%の増となった。
Nielsenの数字を細かく見ると、デジタルを買う人とCDを買う人とでは、人気曲や人気アルバムにやや違いがある。しかし一方、レーベル(レコード会社)別に見ると、全体的な傾向はどこもほぼ同じだ。どのカテゴリーでもトップであるUniversal Musicに関してNielsenは詳しく分析しているが、同社のマーケットシェアはデジタルでも物理メディアでも35%以上で、Sonyと苦戦していた1年前に比べて業界における立場がより強くなったようだ。
しかし、ストリーミングの人気者が売上でも上位、とはいかない。ヴァイラルなビデオの氾濫でHarlem Shakeはストリーミングの人気トップになったが、シングルの売上ではトップテンに入っていない。売上トップはストリーミングで二位のThrift Shopだ。この曲はラジオの放送でも五位に入っている(ラジオが売上に貢献したとは思えないが)。さらにこれは、デジタルアルバムで三位、物理アルバムで七位だ。
Justin Timberlakeは、アルバムの全カテゴリ(デジタルと物理)でトップだったが、Jay-Zと共演したSuit & Tieはデジタルシングルで七位、ストリーミングではトップテン入りしなかった。今年前半、MySpaceの上では出ずっぱりだったにもかかわらず。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))